2010 Fiscal Year Annual Research Report
減数分裂前期の相同染色体対合機構に寄与する分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
22370004
|
Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
丁 大橋 独立行政法人情報通信研究機構, 未来ICT研究センターバイオICTグループ, 主任研究員 (50359080)
|
Keywords | 染色体 / 遺伝学 / 減数分裂 / RNA |
Research Abstract |
本申請研究では、相同染色体の相互認識機構の解明を目指し、分裂酵母減数分裂期における相同組換え非依存的相同染色体の対合機構の同定・解析を目的としている。今年度の研究で、新規対合ホットスポットの検索同定を試みた。具体的には、網羅的に染色体ローカスを可視化した。sme2ローカスとの類似性に基づき、まずDSB形成のホットスポット付近、しかもDSBの附近に長いnon-coding RNAやStel1に制御される減数分裂期特異的発現する遺伝子が局在する領域など約30箇所を絞ってLacO反復配列を挿入し、LacI-GFPの同時発現により当該領域の染色体を可視化し、対合を調べた。その結果、第1染色体のテロメア付近に一つ高い対合を示す染色体ローカスを同定した。このローカスでは野生株とDSB形成欠損株の両方に於いて高い対合活性を示し、上流に減数分裂期特異的発現する遺伝子が局在する。今後の研究でこの新規の対合サイトを詳細に調べる予定である。 一方、sme2対合サイトの高い対合活性に寄与する分子機構について、興味深い知見を得られた。sme2-RNAドットを可視化し、Mei2タンパク質との関係を調べると、sme2の5'側500bpはMei2と結合するドメインとみられ、その部分を破壊すると、Mei2ドットは作らなくなるが、sme2-RNAドットが安定に存在し、対合も野生株並みに行う。このことから、Mei2タンパク質は対合に必要ではなく、sme2-RNAの安定性に深くかかわることが示唆された。また、sme2-RNAにRNA3'末端プロセシング因子がいくつか結合していることが明らかになった。それらの因子を検討した結果、sme2-RNAと共局在し、しかもsme2座以外にも染色体上数箇所でドットを形成する因子が複数同定された。
|
Research Products
(7 results)