2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22370009
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松田 裕之 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (70190478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 文人 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (20202054)
馬奈木 俊介 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (70372456)
小谷 浩示 国際大学, 国際関係学研究科, 准教授 (80422583)
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Keywords | 順応的管理 |
Research Abstract |
上記諸課題のうち、最もデータが豊富で、解析が進んでいるものは、ニホンジカ(屋久島、丹沢)およびクロマグロ(日本海)である。屋久島は申請者たちを含めた既往研究ならびに世界遺産科学委員会に集約されるデータに基づき、3地域に区分してそれぞれの捕獲数と農林業被害額、自然植生の食害調査に基づき、最適な努力配分方法を解析する。また、地域間の移動率、自然増加率、現存生息頭数なども環境省事業などにより調査され、そのデータを解析する。丹沢も神奈川県の基礎調査ならびに前年までの地域別捕獲頭数など、検討委員会に集約されたデータに基づき解析を勧める。被害額評価はすぐにはできないが、管理計画に定めた数値目標を達成するための捕獲努力配分を考え、その費用対効果の解析が可能である。クロマグロについては国際管理組織による資源量推定値、齢別生存率と成長曲線、独自調査による年別季節別漁法別の魚価市場調査、民間企業との連携による畜養の場合の餌量などのデータが得られていることから、畜養のためのヨコワ採捕の資源への影響、費用対効果分析を行う。これらについてはH22年度中に論文を投稿する。 ヒグマについては人的被害の経済評価は難しいが、農林業被害額、人なれしたクマ個体数を出没情報から解析した北海道クマ検討委員会に集約された地域別データを解析する。マングースについては環境省防除事業が集約したデータに基づき、地域別捕獲率、努力量から生息密度空間分布を推定する。カワウについては滋賀県水産課・自然環境課が集約した地域別の生息数、捕獲数を用いて、狩猟と空気銃による捕獲費用を考慮した個体群動態モデルを構築する。アライグマについては捕獲数と努力量の空間分布から、罠努力量配分と空間明示型個体群動態モデルを考案する。
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