2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22370014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
篠崎 和子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30221295)
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Keywords | 環境ストレス応答 / 発現制御 / 転写因子 / 低温ストレス / シス因子 / 植物 |
Research Abstract |
高等植物の低温ストレス応答で重要な働きを示すAP2/ERFタイプの転写因子DREB1に関する下流の標的遺伝子群やこれらの遺伝子によるストレス耐性の獲得機構はこれまで詳しく研究されてきたが、DREB1の上流の制御機構はほとんど明らかになっていない。本研究ではDREB1遺伝子の低温ストレスや慨日時計による発現誘導機構を解明し、これらの発現誘導で働く因子を起点としてシグナル伝達系を溯ることにより、低温ストレスの受容や慨日時計による制御からDREB1の機能発現に至るシグナル伝達の制御機構を明らかにすることを目標として研究を行っている。 3つのDREB1遺伝子群の発現はストレスのない条件下では低く抑えられおり、低温条件下で一過的に強く誘導される。これら3つの遺伝子のプロモーター領域の配列は相同性が高いことから共通の転写制御機構を持つと考えられた。そこで、発現が特に顕著なDREB1C遺伝子の転写制御について解析を行なった。DREB1C遺伝子のプロモーター配列をつないだGUSレポーター遺伝子を導入した形質転換植物の解析により、概日リズムと低温応答での発現に関わる配列の両方をそれぞれ含む領域を同定した。酵母のワンハイブリッド法を用いてこの領域に結合するタンパク質としてCG-1型のDNA結合領域を含む転写因子CAMTA2をコードするcDNAを単離した。シロイヌナズナには全部で6種類のCAMTAが存在しており、系統解析および遺伝子発現解析の結果、複数のCAMTAファミリーが協調的に機能すると考えられた。プロトプラストを用いたトランジェント発現系による解析から、CAMTAファミリーは転写活性化能を有していた。また、T-DNA挿入変異植物体を収集してDREB1遺伝子の発現の解析を行っている。
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Research Products
(12 results)