2012 Fiscal Year Annual Research Report
特異なシアノバクテリアを用いて光合成の基本問題-光化学反応と場-を解く
Project/Area Number |
22370017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土屋 徹 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (20362569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋本 誠志 神戸大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40250477)
鞆 達也 東京理科大学, 理学部, 准教授 (60300886)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 光誘起電子移動反応 / 酸化還元電位 / チラコイド膜形成 / 超高速分光 / バイオインフォーマティックス |
Research Abstract |
クロロフィル(Chl) dを用いて光合成を行うAcaryochloris marinaでの形質転換系を確立した。保持型プラスミドを利用して、接合法によりA. marinaへChl b合成酵素遺伝子であるCAOを導入したところ、Chl dおよびChl bにそれぞれ特徴的なホルミル基の両方をもつ新奇なクロロフィル([7-formyl]- Chl d)が細胞内に蓄積されていた。作製した形質転換体から光化学系IIを精製し解析したところ、全クロロフィルのうち約9%が[7-formyl]- Chl dであり、相関してChl dの含量が減少していた。さらに、分光解析により、[7-formyl]- Chl dはChl dにエネルギーを渡すアンテナとして機能するが、反応中心における電子伝達には影響を与えないことが判明した。これらの結果は、光化学系IIには本来利用しているクロロフィル以外のクロロフィルを容易に受容できる部位が存在し、外来遺伝子による新奇なクロロフィル合成能の獲得により、その部位のクロロフィルが機能的に他のクロロフィルに置換され得ることを示している。 A. marinaから光化学系IIを簡便かつ大量に精製するために、サブユニットの一つであるPsbBにヒスチジンタグを融合させた形質転換体の作製を試みた。しかしながら、これまでに相同組換えによりゲノム中の標的配列が置換された形質転換体を得ることはできなかった。 Chl bを有するシアノバクテリアProchloron didemniとProchlorothrix hollandicaの光捕集機能を検討した。シアノバクテリアの光応答について、フィコビリソーム–光化学系I間、光化学系II–光化学系I間のエネルギー移動の観点から検討した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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