2010 Fiscal Year Annual Research Report
核ー細胞質間輸送系を介したオーキシン応答の制御機構
Project/Area Number |
22370018
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
深城 英弘 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (80324979)
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Keywords | オーキシン / 核-細胞質間輸送 / シロイヌナズナ / マイクロRNA / 遺伝子発現 / 側根形成 |
Research Abstract |
オーキシンは植物の成長・発生にとって最も重要な植物ホルモンの一つである。植物のオーキシン応答は、オーキシンの生体内分布の調節と遺伝子発現制御に基づくことが示されているが、その全貌は明らかにされていない。これまでシロイヌナズナ側根欠失変異体slrのサプレッサー変異体suppressor of slr1 (ssl1)/hasty(hst)の研究により、側根形成開始におけるSLR/IAA14-ARF7/19を介したオーキシン応答にHASTY (HST)/exportin-5を介した核-細胞質問輸送系が機能することが遺伝学的に見出された。そこで本研究は、核-細胞質間輸送系を介したオーキシン応答の制御機構を明らかにすることを目的として、HSTの機能解析、HSTの標的と考えられる低分子RNA因子の同定、およびオーキシン応答における他の低分子RNA関連因子の解析などを行なう。本年度は以下の成果が得られた。(1)ssl1/hst変異によるslr変異体の側根欠失表現型の抑圧は、ARF7/19を介したオーキシン応答に依存することを遺伝学的に明らかにした。(2)マイクロRNA合成に関わるDCL1,HYL1,SEなどの変異によってもslr変異体の側根欠失表現型が部分的に抑圧された。この結果から、DCL1,HYL1,SEおよびHSTを介して合成・蓄積されたマイクロRNAが、SLR/IAA14によるARF7/19の活性抑制に必要なことが遺伝的に明らかとなった。(3)slrおよびssl1/hst slr変異体を用いたマイクロアレイ解析を行い、ssl1/hst変異によって発現量が変動するマイクロRNAや、それらの標的遺伝子を複数同定した。
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