2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物の茎伸長過程におけるサーモスペルミンの作用機構の解明
Project/Area Number |
22370021
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 卓 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20271710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本瀬 宏康 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (70342863)
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Keywords | シロイヌナズナ / ポリアミン / 発生・分化 / 突然変異 / 分子遺伝学 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
シロイヌナズナの茎の伸長に著しい欠損を示す矮性変異株ac15の原因遺伝子は,サーモスペルミン合成酵素をコードする。本研究では,サーモスペルミンがどのように茎の伸長を制御しているのか,その作用機構の解明を目指す。具体的にはac15変異株を出発材料に,その表現型が回復したサプレッサー変異株sac51の解析から明らかになりつつある,SAC51遺伝子の翻訳調節におけるサーモスペルミンの作用,ac15変異株において外的なサーモスペルミンに応答する遺伝子の同定,コケ植物におけるACL5相同遺伝子の機能に関する研究をそれぞれすすめた。今年度の主要な結果は以下のとおりである。 1)試験管内翻訳系の構築 SAC51遺伝子の5'リーダー配列にGFPレポーターをつないだ融合遺伝子を作成し,試験管内翻訳においてサーモスペルミンの効果を調べる実験系を構築した。 2)マイナーなポリアミンの生理活性 サーモスペルミンを代替する生理活性がノルスペルミンにあることを発見した。 3)サーモスペルミン応答遺伝子の同定 マイクロアレイ実験およびリアルタイムPCRによる発現解析により,サーモスペルミンに応答して発現が低下する遺伝子に,木部分化に関連する遺伝子が多く含まれていることを明らかにした。 4)コケACL5相向遺伝子の解析 ヒメツリガネゴケにある3つのACL5相同遺伝子ACL5A,B,Cについて,シロイヌナズナac15変異株に導入し,ACL5B遺伝子に茎の伸長回復効果があることを明らかにした。
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