2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22370036
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邉 信久 名古屋大学, シンクロトロン光研究センター, 教授 (70212321)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | HindIII / 制限酵素 / 反応機構 / 時間分割 / フリーズトラップ |
Research Abstract |
HindIIIはDNA切断前と切断後の構造解析のみがなされており,切断後の構造の活性部位に2つの金属イオンが結合していたが,特に2つ目の金属イオンはDNAの切断後に結合したのではないかという疑問が残されていた.昨年度までに時分割構造解析のために必要となるHindIIIとDNAの複合体の結晶を再現性良く得ることに成功していなかったため,最終年度は既知の条件の改良と平行して,再度スクリーニングによる結晶化条件の再検討を行った.その結果,分解能2.2オングストロームの結晶が得られたため,その結晶を用いて,マンガンイオンを含む抗凍結剤に短時間ソーキングしてDNAの切断反応を開始させ,一定時間後に低温窒素気流により急速冷却することで反応を停止し,時分割測定を行った.マンガンイオン濃度を検討することで,反応速度を調整し,ソーキングから切断までの時間を秒オーダーに遅延し,ソーキング後の凍結までの時間を変えて結晶構造解析することで,金属イオンの導入を時分割追跡することに成功した.ソーキング時間を0秒,25秒,40秒,60秒,230秒とした際の活性部位での金属イオンの状態とDNAの切断,さらには周辺の残基の状態を含めた構造解析を実施した.詳細は解析中であるが,2つの金属イオンサイトへの金属イオンの結合も同時ではなく,最初に加水分解に寄与する水分子を活性化するAサイトに入り,次に遷移状態を安定化すると提唱されているBサイトに金属が結合し,その時点で始めて切断反応が起こるようである.すなわち,従来疑問視されていたBサイトの金属イオンはアーティファクトではなく,HindIIIのDNA切断の反応機構は2金属イオンモデルで進行すると考えて良い.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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