2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22370037
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中津 亨 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (50293949)
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Keywords | 時計タンパク質 / 概日リズム / 生物時計 / X線結晶構造解析 / 蛋白質間相互作用 / bHLHドメイン |
Research Abstract |
ほぼすべての生物は体内に生物時計をもち、この時計に支配されて様々な生理現象が約1日周期の概日リズムを示す。この時計発振系の基本的な分子骨格は転写・翻訳を介した負のフィードバック機構であり、哺乳類においては時計タンパク質BMAL1およびCLOCKが正の因子、PERおよびCRYが負の因子としての役割を果たす。BMAL1、1-CLOCKヘテロ二量体はbHLHドメインを介して、PerやCryなどの時計遺伝子上流に存在するE-box配列あるいはE-box様配列に結合し、転写を活性化する。BMAL1、CLOCKは生体内においてヘテロ二量体を形成してその機能を発揮するが、BMAL1はホモ二量体を形成する可能性がある。 そこでBMAL1,CLOCKについてヘテロ二量体およびホモ二量体に対するE-box,E-box様配列との相互作用の定量的な評価を行った。BMAL1、CLOCKともにbHLHドメインを含む領域でGSTとの融合タンパク質として発現させたところ、様々なDNAが結合していることが判明した。そこで条件検討を行い、400mM NaCl存在下においてタンパク質とDNAが乖離することがわかった。これらホモ二量体を混合し、ゲルろ過を用いて分析したところホモ二量体以外にヘテロ二量体を示すピークが観測でき、DNAを加えたところヘテロ二量体のみのピークが得られた。そこで認識配列を含む18塩基対の6種類のDNAを用いてITCによる結合実験を行った。その結果、ヘテロ二量体のKdは50nMから140nM程度であった。これに対してBMAL1では80nMから830nM,CLOCKでは300nMから2600nMであった。すなわちヘテロ二量体を形成することにより認識配列前後の違いによらず一定の結合力を維持できるような仕組みができていることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BMAL1およびCLOCKそして転写活性化を抑えるのはPERによる直接的な影響よりはむしろそれぞれのタンパク質における様々な修飾によるもところが大きい。そこでBMAL1とCLOCKが具体的にどのような立体構造をしており、いかにして様々な修飾を受けるかを明らかにする必要がある現在BMAL1-CLOCKにおいてはそのDNA結合能やPASドメインに関する相互作用の可能性を示すことができており、ヘテロダイマーの立体構造解析にむけた基礎データが取得できているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
BMAL1およびCLOCKともにbHLHおよび2つのPASドメインから構成されると推定されている。PERとの直接的な相互作用をうまく捕らえられていないため、多岐にわたる修飾サイトの'状態を明らかにするためにもBMAL1-CLOCKヘテロダイマーの構造を明らかにすることが重要である。N末端、C末端のフレキシブルな領域がある程度判明しているものの、その適した領域を判別するまでには至っていない。N末端側の領域は構造決定できているため、結晶化に適した領域をほぼ決定できるが、C末端は不確定な要素が多いため、限定加水分解による領域の決定を行う必要性がある。また平行して結晶化しやすい領域の断片化サンプルの調製も併せて行う必要がある。
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Research Products
(4 results)