2012 Fiscal Year Annual Research Report
膜内プロテアーゼS2Pによるエキソサイト認識を構造生物学的手法で証明する
Project/Area Number |
22370039
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
禾 晃和 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 准教授 (40379102)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 膜内配列切断 / X線結晶構造解析 / シグナル伝達 / ストレス応答 / 結晶化 / 構造生物学 |
Research Abstract |
本年度の研究では、引き続き、膜内切断プロテアーゼRsePのペリプラズム領域に関する構造機能解析を重点的に進めた。本研究では、超好熱菌由来のRsePホモログについて、ペリプラズム領域に存在するPDZドメインがタンデムに2つ繋がった部分(PDZタンデム)の結晶構造をすでに決定していた。PDZタンデムの結晶構造は、単独状態と抗体Fab断片複合体の状態で決定されているが、2つの状態の間で、PDZドメイン同士の配向は大きく異なっていた。単独状態のPDZタンデムは、2つのドメインが大きく開き「open型」のコンフォーメションをとる一方で、複合体状態のPDZタンデムは、ドメイン同士が接近して「semi-open型」のコンフォーメションをとっていた。2つの状態の構造を重ね合わせると、ドメイン間の角度は60度もずれており、その違いは顕著であった。そこで、いずれの配向が溶液中で安定かを検証するため、X線小角散乱法による溶液構造の解析を進めた。その結果、溶液状態のPDZタンデムは、構造の揺らぎは見られるものの、複合体状態の「semi-open型」の構造に近いことが示唆された。 また、超好熱菌由来のホモログの結晶構造を参照データとすることで、すでにX線小角散乱のデータ収集を行っていた大腸菌由来のRsePのPDZタンデム断片についてもデータの再検証を行った。その結果、大腸菌由来のPDZタンデムも、超好熱菌由来ホモログの複合体状態と同じく、「semi-open型」のコンフォーメーションをとっている可能性が高いことが示唆された。 これらの構造科学的データと、研究協力者である京都大学ウイルス研究所の秋山芳展教授による生化学的データを元に、RsePによる新規の基質認識モデルを提唱する論文を執筆した。この論文については、現在学術誌に投稿中であり、査読を受けているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|