2012 Fiscal Year Annual Research Report
DGKが関与することが新たに判明した生理機能と難治病態形成の分子機構とその制御
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22370047
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
坂根 郁夫 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10183815)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ジアシルグリセロールキナーゼ / ホスファチジルイノシトール代謝回転 / 糖尿病 / カルシウム / 脂質ラフト / 細胞膜 / 質量分析法 / EFハンド |
Research Abstract |
ジアシルグリセロール(DG)キナーゼ(DGK)には10種のアイソザイムが存在する.それらの生理機能はこれまで殆ど不明だったが,最近申請者らは,DGKのα(腫瘍壊死因子α~NF-κB), δ(グルコース~インスリン受容体), η(上皮増殖因子受容体~Raf~MEK~ERK)アイソザイムが,それぞれ重要なホルモン・サイトカイン受容体シグナル伝達系を決定的に制御し,難治病態形成において重要な役割を担う可能性を示した.そこで,DGKアイソザイムが制御するシグナル伝達機構の詳細と個体レベルでの病態生理機能を明らかにすることを計画した.まずそのための方法論を複数確立した.また,DGKα,γ,δとηの動態に関して以下の興味ある知見が得られた. 方法論:1. 液体クロマトグラフィー(LC)/質量分析法(MS)を用いたDGKの代謝産物ホスファチジン酸(PA)分子種の簡便・安定的な分析手法を確立した.2. ハイスループットDGK活性測定法の開発に成功した. 動態:1. Ca2+結合に伴いDGKαのEFハンドモチーフの構造が変化し,それによってC末側領域との分子内相互作用が弱まる.2. 神経細胞においてDGKγの細胞膜局在と糸状仮足様突起形成に相関関係が認められる.3. DGKγはPA(及びセラミド1リン酸)に対して選択性を持つ脂質結合蛋白質であり,EF-handドメインがその結合に重要である.4. 高濃度グルコース刺激によってDGKδはプレクストリンホモロジーとC1ドメインを介して細胞膜へ一過性に移行する.5.ノックアウトマウスと今回確立したLC/MSを用いた実験等により,従来の定説に反し,DGKδの基質となるDG分子が「ホスファチジルイノシトール代謝回転とは独立した未知の経路」により供給される.6. DGKηは高浸透圧刺激に応じて脂質ラフトとは異なる界面活性剤不溶性膜画分へ移行する.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(22 results)