2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22370051
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
嘉村 巧 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40333455)
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Keywords | タンパク質分解 / ユビキチン |
Research Abstract |
ユビキチン・プロテアソーム系を介したタンパク質分解が様々な生命現象に重要な働きをしていることが明らかになり、注目を集めている。現時点までに、基質特異性を決めるユビキチンリガーゼ(E3)の研究、中でも哺乳類Cullin型E3の研究が盛んに行なわれてきているが、出芽酵母Cullin型E3の機能解析はあまり進んでいない。出芽酵母にはCdc53、Cul3、Cul8の3種類のCullinが存在するが、最近われわれはCdc53型E3(SCF複合体と呼ばれている)の活性制御因子Lag2を発見し報告した。そこで本課題では、Lag2によるSCF複合体の活性調節の更なる解析、および現在までにほとんど明らかにされていないCul3およびCul8型E3の機能解析を進めている。Lag2がユビキチン様小分子であるRub1修飾を受けることをあきらにしていたが、さらにLag2に31個存在するリジンをアルギニンに置換した変異体を作製し、出芽酵母に発現させ、どのリジンがRub1修飾を受けるのかを解析した結果、16番目のリジンがRub1修飾を受けることを同定した。現在この変異体がLag2の活性にどのように影響するかどうかを検討中である。出芽酵母には4種類のBTBタンパク質が存在しているが、Yil001wがCul3と結合することを明らかにした。さらにはOkp1やPol4を基質候補として同定し、解析を進めている。Cul8型E3に関しても構成因子を生化学的に同定し、基質候補を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
出芽酵母Cullin型E3の研究を複数の点から進めている。Lag2に関してはRub1修飾受けるリジンを同定し、機能解析を進めている。またCul3やCul8型E3に関してもそれらの構成因子を同定しさらには基質候補の解析を進めている。こららのことより本研究は順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
Lag2に関しては新たな結合因子を同定しLag2の新規機能を解明していく。 Cul3及びCul8型E3に関しては現在までに同定している基質候補タンパク質の解析を進めていく。具体的には、内在性でのタンパク質レベルでのE3と基質候補タンパク質との結合の確認、E3の不活性化や過剰発現の基質候補タンパク質の安定性に及ぼす影響の検討、試験管内でのE3による基質候補タンパク質のユビキチン修飾反応の検討、さらにはE3による基質候補タンパク質の分解制御による細胞生物学的影響の検討を行う。
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