2010 Fiscal Year Annual Research Report
FLASHの有する多面的生物活性の分子機構と生理機能の解析
Project/Area Number |
22370052
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米原 伸 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00124503)
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Keywords | 細胞周期 / 転写 / Ars2 / CoREST複合体 / LSD1 |
Research Abstract |
FLASHとArs2は細胞周期S期進行に関る可能性のある多様な生物活性(ヒストンの転写、Cajal小体の形成やmiRNA合成)を有すると考えられたので、これらの活性が各分子の独立した活性なのか、両分子の会合に依存する活性なのかをshRNAの発現誘導による効果等を詳細に解析した結果、FLASHとArs2が細胞周期進行に関わる分子機構は異なっていることが判明した。しかし、FLASHのFARB配列を介するFLASHとArs2の会合が細胞周期S期進行を支持することも事実であり、その分子機構を解析した結果、FARBを介してArs2がFLASHに会合することによってFLASHタンパク質の安定性に寄与していることが明らかとなった。Ars2の新しい機能として、FLASHタンパク質の安定性をもたらすというものを明らかにした。 さらに、FLASHと会合することが質量分析法で見いだしているヒストン脱メチル化酵素LSD1と転写抑制因子CoREST(これらはCoREST複合体を形成する)について、FLASHと直接会合するか否かを共免疫沈降法等で解析した結果、FLASHはLSD1とCoRESTの両分子と直接会合し、LSD1とCoRESTも直接会合することが明らかとなり、FLASH, LSD1, CoRESTの三分子は直接会合し、他の分子と共にCoREST複合体を形成することを明らかにした。また、FLASHの発現抑制誘導を様々な細胞で実行して解析した結果、FLASHがマウスES細胞やヒト二倍体繊維芽細胞では、がん細胞株とは異なって細胞増殖の維持に必須ではないという新しい知見が得られた。
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Research Products
(2 results)