2011 Fiscal Year Annual Research Report
新生ポリペプチド鎖依存の翻訳アレストにおけるRACK1の機能解明
Project/Area Number |
22370062
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
稲田 利文 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40242812)
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Keywords | RNA / 翻訳 / 品質管理 / タンパク質分解 / プロテアソーム |
Research Abstract |
研究代表者は、ノンストップmRNAの翻訳阻害機構を解析し、連続した塩基性アミノ酸残基による翻訳伸長阻害(アレスト)を明らかにした。これは、合成途中の新生ポリペプチド鎖とリボソームトンネルとの相互作用による翻訳制御が、真核生物に広く存在することを強く示唆する。最近出芽酵母を用いて、新生ポリペプチド鎖に依存した翻訳アレストに必須な因子としてRACK1を同定した。RACK1は真核生物に広く保存され、様々なシグナル伝達に関与する。また、40Sリボソームサブユニットに結合し翻訳制御に関与する事が示唆されている。研究代表者は、新生ポリペプチド鎖の配列に依存した翻訳アレストの分子機構と、RACK1依存の翻訳アレストの生理的意義の解明を本研究課題の目的とする。具体的な研究項目は以下の3点である。【1】新生ポリペプチド鎖依存の翻訳アレストの分子機構【2】減数分裂における翻訳アレストの機能【3】翻訳アレストに共役したタンパク質とmRNA安定性制御の分子機構とその生理的意義。平成22年度には、新生ポリペプチド鎖に依存した翻訳アレストに必須な因子としてのRACK1の同定と、RACK1が40Sリボソームサブユニットに結合することが翻訳アレストに必須であることを発表した。平成23年度は、【1】新生ポリペプチド鎖依存の翻訳アレストの分子機構:連続した塩基性アミノ酸配列に加え連続したレアコドンによる翻訳アレストにもRACK1が必要であることを明らかにした。【2】減数分裂における翻訳アレストの機能:条件検討が困難であり、現在のところ、減数分裂におけるRACK1の機能について翻訳アレストに関係する機能は明らかになっていない。【3】翻訳アレストに共役したタンパク質とmRNA安定性制御の分子機構とその生理的意義:翻訳アレストに共役したタンパク質の分解において2つのE3ユビキチンライゲースの基質特異性が解明できた。Ltn1は翻訳アレストに共役したタンパク質分解に普遍的に機能するのに対し、Not4はmRNA内での翻訳アレストの場合にのみに機能することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
震災の影響もあり、年度当初は遅れていた。しかしながら8月以降は予定した実験は、ほぼ予定とおりに実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は最終年度であるので、これまでの研究結果を論文として作製する作業を行う。現在時点では、特に問題なく順調に研究は遂行されている。複数の原著論文を発表するために必要なデータは、ほぼ得られている。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Dom34:Hbs1 Plays a General Role in Quality Control Systems by Dissociation of a Stalled Ribosome at the 3' End of Aberrant mRNA2012
Author(s)
Tsuboi, T., Kuroha, K., Kudo, K., Makino, S., Inoue, E., Kashima, I., Inada, T.
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Journal Title
Molecular Cell
Volume: 46
Pages: 1-12
DOI
Peer Reviewed
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