2010 Fiscal Year Annual Research Report
リボソームの異常と疾患:新たな疾患「リボソーム病」発症の分子機構
Project/Area Number |
22370065
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
剣持 直哉 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (00133124)
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Keywords | リボソーム / リボソーム病 / p53 / 造血異常 / 発がん / 核小体 / ゼブラフィッシュ / 疾患モデル |
Research Abstract |
リボソームは、すべての生物に不可欠なタンパク質の合成装置である。本研究は、ゼブラフィッシュを用いてリボソームの異常に起因する「リボソーム病」発症の分子機構を解明することを目的とする。 1.DBA発症の分子機構 ダイヤモンドプラックファン貧血(DBA)発症の分子機構を解明するために、ゼブラフィッシュのDBAモデル(RPS19ノックダウン胚)を用いて、ポリソーム解析およびポリソームmRNAのプロファイリングを行った。その結果、ノックダウン胚において40Sリボソームサブユニットの形成が低下していること、また、いくつかの遺伝子で翻訳活性が大きく変動していることを見出した。 2.p53活性化機構の解析 リボソームタンパク質の欠損によるp53の活性化機構を調べるために、リボソームタンパク質欠損モデル(RPL11ノックダウン)とp53遺伝子欠損モデル(p53 null)を作製した。また、ベクターを用いたRNAiにより、組織特異的にRP遺伝子を欠損したモデルの作製も試みた。これらの変異ゼブラフィッシュは、今後p53活性化機構を解析する有用なツールとなる。 3.核小体タンパク質の解析 リボソームの異常により核小体ストレスが生じ、p53の活性化が起こると推測される。そこで、RPL11ノックダウンにおける核小体タンパク質遺伝子の転写活性を調べた。その結果、wdr36、wdr55、bap28、bop1、pes、gnl3、bxdc1などの遺伝子の発現が上昇していることが明らかになった。
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