2010 Fiscal Year Annual Research Report
RNA鎖の連結に関与する酵素群の同定とその性状解析
Project/Area Number |
22370066
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金井 昭夫 慶應義塾大学, 環境情報学部, 教授 (60260329)
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Keywords | アーキア / tRNA / Pyrococcus furiosus / RNA ligase / RNAプロセシング / イントロン / tRNA前駆体 / 組換え体酵素 |
Research Abstract |
転移RNA(tRNA)には、その遺伝子が分断されており、tRNAの断片をコードする独立のプロモーターを有したタイプのもの(Split tRNA型)や、1つの遺伝子内に1~3個のイントロンが存在するタイプのもの(イントロン含有型)などがある。これらの遺伝子からtRNA前駆体が転写された場合、成熟型tRNAとなるためには、RNA段階でのプロセシングが必須となる。アーキア由来のtRNA前駆体とそのプロセシング機構に関して、以下の2つの観点から解析を進めた。 (1)アーキア(ゲノム)における新しいタイプのtRNA前駆体を探索し、メタゲノム由来のサンプルから、これまでに報告のないtRNAの部位にイントロンが挿入した例を複数種見いだした。また、これらのtRNA遺伝子の系統樹上の位置を追うことでtRNA遺伝子進化モデルを構築した。 (2)超好熱性アーキアであるみPyrococcus furiosusをモデル生物として用い、同アーキア由来でRNA鎖の連結に関わると考えられる3種の酵素に対応する遺伝子を単離し、その組換え体タンパク質を大腸菌にて産生、精製した。これらは、我々が見いだした(a)2'-5'RNA ligaseであるPF0027タンパク質。また既に報告2がある酵素のホモログとして同定した(b)T4 RNA ligaseタイプのPF0353タンパク質、及び(c)RtcB(RNA Cyclaseのモチーフをもつ)タイプのPF1615タンパク質である。PF0027タンパク質においては、これと相互作用する新規のタンパク質を免疫沈降法により見いだし、MS解析することでその分子同定を行なった。さらに、これらの酵素と関連する複数の遺伝子を単離し、その組換え体タンパク質を用いて試験管内のRNA連結反応を解析する系を構築した。また、これらのタンパク質の一部はペプチド抗体を作成した。
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Research Products
(5 results)