2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22370067
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
仁木 宏典 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (70208122)
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Keywords | 細胞壁 / 桿菌 / ペプチドグリカン / アクチン / 球菌 |
Research Abstract |
RodZの細胞質ドメインの機能の解明をめざし、特に細胞質側ドメイン内のHTH構造の機能と、ペリプラズム側のドメインの2個所の機能の解明を行った。作業仮説としては、HTH構造にDNAまたはRNAの核酸が結合し、この結合の状態により、細胞骨格因子であるMreBとの相互作用状態が変化するという作業仮説の元に研究を進めた。クロマチン免疫沈降法によりHTHドメインを菌体内から精製し、その分析を行なったが特異的に結合している核酸は見いだされなかった。他方、MreBとの相互作用を調べるため細胞周期によるRodZの動態を調べた。その結果、これまでは細胞全体に亘ってらせん状に局在しているRodZタンパク質が、細胞の隔壁形成期に短時間であるが分裂面に集積し局在してくることを見いだした。FtsZ変異体ではこの分裂面への局在が見られないことから、FtsZに依存していることが明らかになった。この時、MreBも同様に分裂面に局在する。しかしながら、RodZのMreB結合ドメインの変異体においてもRodZの分裂面への局在がみられることから、MreBとは独立した局在変動であることが示唆された。この変動に関与するドメインについて、ペリプラズム側のドメインを中心に解析を行ったところ、ペリプラズム側にあたるC末端の欠いた変異株では、細胞長が短くなるが、依然として分裂面に局在した。 しかし、その局在のタイミングが早まっていた。これらのことから、RodZが細胞分裂面に局在し、細胞隔壁の形成のタイミングを制御に関与してことが考えられる。細胞分裂面でのRodZとFtsZ,MreBの相互作用について詳細な解析を進めている。
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