2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミドリゾウリムシとクロレラの細胞内共生成立機構の解明
Project/Area Number |
22370082
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤島 政博 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40127783)
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Keywords | 細胞内共生 / ミドリゾウリムシ / クロレラ / 食胞形成 / 二次共生 |
Research Abstract |
ミドリゾウリムシと共生クロレラの細胞内共生(二次共生)の成立に必須な4つのチェックポイントのうち、チェックポイント1と2の調節機構の解明を試みた。 (1)チェックポイント1(感染初期過程の同一食胞内の一部のクロレラのみが宿主リソソーム酵素耐性を獲得):酸性の小胞や液胞を染色するライソセンサーで感染初期のクロレラを染色すると、食胞内で消化されるクロレラがライソセンサーで染色される構造をもち、この構造を持つクロレラが食胞内で消化されることを示す結果を得た。この結果は、食胞内に取り込まれた一部のクロレラが生き残る原因が偶然ではないことを示唆している。この構造は酸性フォスファターゼ活性を組織化学的に検出するゴモリ染色で濃染するスポットと形と数が一致した。この構造を持つクロレラの割合を増減する条件を探索している。 (2)チェックポイント2(食胞膜の出芽によるクロレラの脱出):食胞の直径3μm以上の顆粒なら、ラテックスビーズや酵母菌でも出芽を誘導する。殺したクロレラ(直径3-5μm)でも出芽が誘導される。アクチン及び微小管の重合阻害剤では出芽を阻害できなかったため、ダイナミンの関与が予測された。そこで、ダイナミンの阻害剤ダイノソアで出芽の抑制の有無を調べたところ、完全に阻害することが明らかになった。そこで、市販のダイナミンの抗体を使用した間接蛍光抗体法で食胞膜の出芽部分にリング状の蛍光を示すことができる抗体を探索している。
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