2011 Fiscal Year Annual Research Report
ミドリゾウリムシとクロレラの細胞内共生成立機構の解明
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22370082
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤島 政博 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40127783)
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Keywords | ミドリゾウリムシ / クロレラ / 細胞内共生 / 二次共生 / 食胞 / トリコシスト / ミトコンドリア / PV膜 |
Research Abstract |
ミドリゾウリムシから単離した食胞(DV, digestive vacuole)を抗原にしてDV-IIIと工Vの食胞膜を標識するモノクローナル抗体を作製した。PV(perialgal vacuole)膜の分化時期については、次の3つの可能性がある。(1)DV-IVの食胞膜の出芽時期に出芽部分の膜がPV膜に分化する。(2)食胞膜から出芽した膜が切り離されてからPV膜に分化する。(3)クロレラを包む食胞膜由来の膜が宿主表層直下に接着してからPV膜に分化する。このうち(3)の可能性については、ゴモリ染色によって、宿主細胞表層直下に接着したクロレラ包膜内部に酸性フォスファターゼ活性が認められないことから、この時期にはすでに宿主のリソソーム融合阻止能力を持ったPV膜に分化した後であることが明らかになっており、(3)の可能性は否定されている(Kodama and Fujishima, Protist 160, 65-74, 2009)。そこで、得られた食胞膜特異的抗体を使った間接蛍光抗体法でDV-IVの出芽部分の膜が抗体で標識されるかどうかを調べたところ、出芽部分の膜だけが染色されないことが明らかになった。この結果は、(1)の可能性を強く指示している(投稿準備中)。しかし、DV-IIIとIVの食胞膜抗原は失ったが、PV膜の分化はまだ生じていない可能性を排除するととはできない。今後、PV膜特異的抗体の作製が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PV膜特異的なモノクローナル抗体の品質が悪く、再度、取り直しを行っている。そのため、食胞膜特異的モノクローナル抗体を新たに作製し、その抗原性が消失する時期からPV膜の分化時期を推定することを試みた。この戦略は成功したが、PV膜への分化時期を断定するためには、PV膜特異的抗体の作製が必須である。
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Strategy for Future Research Activity |
PV膜に対するモノクローナル抗体の作製を引き続き実施し、食胞膜からPV膜の分化時期の特定とPV膜特異的抗原の機能の解明と、この抗原の存在が他の生物の二次共生のシンビオソーム((ラッパムシ、クリマコストマム、プロロドン、フロントニア、ツリガネムシ、コルポダ、マヨレラ、ユープロテス、ヒドラ、イソギンチャク等)でも普遍的かどうかを確認する。
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[Presentation] Infection of endonuclear symbiotic bacterium Holospora to the ciliate Paramecium caudatum2011
Author(s)
Fujishima M, Iwatani K, Kawai M, Nakamura Y, Kodama Y, Tanaka Y, Fujise H, Morikawa C, Kaya T, Fema A
Organizer
1st Asian Congress of Protitology and 8th Asian Ciliate Conference of Ciliate Biology
Place of Presentation
Jeju, Korea(招待講演)
Year and Date
2011-10-06
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