2011 Fiscal Year Annual Research Report
新発見デデリエ洞窟幼児人骨の形態学的・堆積学的記載と分析
Project/Area Number |
22370085
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 修 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40244347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 肇 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70145225)
赤澤 威 高知工科大学, 総合研究所, 教授 (70013753)
小口 高 東京大学, 空間情報科学研究セ ンター, 教授 (80221852)
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Keywords | ネアンデルタール / マクロ骨形態 / 国際研究者交流 シリア |
Research Abstract |
デデリエ洞窟より2008-2009年の調査において新たな幼児骨格が発見された。本研究では、この幼児骨の整理、復元、形態学的記載・比較研究をおこなう。既発表の2体のネアンデルタール幼児骨格とともに、新資料は化石人類の成長研究において重要な標本群をなすと思われ、分析研究による新知見が期待できる。さらに本研究では、出土人骨・動物骨に付着するマトリックスと人骨周辺の土壌サンプルの堆積学的組成分析を行い、発掘時調査データ・出土人骨情報・考古学的情報と照合することにより、人骨を中心とした化石生成史の復元を目指す。 昨年度から(H22)引き続き今年度(H23)は以下の研究内容を行った。1:シリアより共同研究者を招聘 (人骨資料の搬送)(H22年度に終了)2:骨格資料整理、人骨同定、復元、マトリックス回収。3:人骨形態記載、CT撮影。4:土壌サンプル、骨に付着した堆積マトリックスの分析。 本年度(H23年度)は第2年目にあたる。上記のうち2の標本整理作業は断続的に行い、全標本の8割程度まで完了した(近藤、石田、Youssef Kanjou)。整理済みの標本より、骨盤の一部、左右大腿骨断片資料についてCT撮影を行い、デジタルデータによる骨幹長推定、大腿骨骨幹断面形状の評価、骨盤の恥骨長の評価をおこない、人類学会にて発表した。4については、回収済みのマトリクス資料について分析を継続中である(小口(高)、吉田、小口(千)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シリア国内情勢の悪化により、初年度以降の調査ができない状態が続いている。したがって、人骨標本、分析用土壌サンプルも初年度のシリア研究者招聘時以降、手に入らなかったが、H25年度になってより完全なサンプルを手に入れることができた。したがって、現状では発掘人骨の整理、クリーニングはほぼ完了したものの、土壌マトリックス回収とその分析にはさらに時間が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
クリーニングと土壌マトリックス回収が終了に近づいた時点で、その後の同定、CT撮影を含めた分析予定を再計画し、次年度中に分析結果を持ち寄って成果をまとめることとする。
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Research Products
(4 results)