2010 Fiscal Year Annual Research Report
イネ・トランスポゾンmPingによる遺伝子発現ネットワークの改変
Project/Area Number |
22380006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥本 裕 京都大学, 農学研究科, 教授 (90152438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺石 政義 京都大学, 農学研究科, 助教 (80378819)
築山 拓司 京都大学, 農学研究科, 助教 (00423004)
齋藤 大樹 京都大学, 農学研究科, 助教 (10536238)
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Keywords | イネ / 転移因子 / 遺伝子発現 / ストレス応答 |
Research Abstract |
イネ品種銀坊主12000個体より採取したDNAを用いて、予め選んだストレス応答性に関連する21個の遺伝子の上流500bp部分へのmPing挿入を調査した。調査に際しては、12000個体を8個体ずつバルクにしてDNAを抽出し、バルク毎に挿入断片の有無をPCR増幅産物の長さを観察した。挿入が確認されたバルクについては、対応する8個体より採種した種子を各12粒播種して挿入個体を特定した。さらに、これら挿入ホモおよびヘテロ個体をガラス室内で冬季栽培して、挿入ホモ個体の種子を増殖するとともに、これら個体間の交雑を行った。挿入調査の結果、DERB1A、ZEF252、OsCDKP7およびOsNAC6/SNAC2の上流にmPing挿入を保有する個体が見出された。これら挿入ホモ個体より採種した自殖種子を利用すれば、ストレス応答性遺伝子上流へのmPing挿入効果を検証できると期待される。とりわけ、DREB1Aの上流域には独立した2種類の挿入個体が得られた。両者のmPing挿入位置は同じでるが挿入方向は異なっており、mPing挿入方向が遺伝子発現の及ぼす効果を併せて検証することが可能になった。これとは別に、イネの花成刺激の伝達を担うHd3a遺伝子に関しては、遺伝子の上流および下流の2kbならびに遺伝子領域内への挿入について調査した。観察する範囲を拡大したにもかかわらず、上流および下流部位へのmPing挿入個体を見出すことは出来なかった。しかし、エクソン内に挿入を保有する1個体を特定でき、この個体について冬季栽培により自殖後代の種子が採種できた。Hd3aのアレルに関する報告例は極めて少ないため、この系統はHd3aの機能喪失がイネ開花に及ぼす影響を解析する上で、極めて重要な材料になると期待される。
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Research Products
(3 results)