2011 Fiscal Year Annual Research Report
イネ・トランスポゾンmPingによる遺伝子発現ネットワークの改変
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22380006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥本 裕 京都大学, 農学研究科, 教授 (90152438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺石 政義 京都大学, 農学研究科, 講師 (80378819)
築山 拓司 京都大学, 農学研究科, 助教 (00423004)
齊藤 大樹 京都大学, 農学研究科, 助教 (10536238)
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Keywords | イネ / 転移因子 / 遺伝子発現 / ストレス応答 |
Research Abstract |
mPingの新規挿入が遺伝子の発現プロファイルに及ぼす効果を調査するために、銀坊主を約1万2千個体栽培し、全個体からDNAを抽出するとともに自殖種子を採種した(平成22年)、平成22~23年にストレス応答性遺伝子17個の転写開始点の上流500bpの領域にmPing挿入を保有する個体をPCR法によって検出した。実際には、11,384個体の銀坊主を1,423組の8個体バルクDNAサンプルを用いて一次スクリーニングを行なった。一次スクリーニング後、バルクに含まれる8個の個体別系統よりmPing挿入に間するホモ個体と挿入をもたない個体とを特定した。この結果、4遺伝子の上流にmPing挿入をもつ5系統を選抜できた。この中の2系統は同じ遺伝子の上流に挿入方向が異なるmPing挿入が観察された。塩ストレス応答性に関しては、5系統と同じ個体に由来する挿入をもたない個体の個体別系統を対照として用いた。塩ストレス下での、これら遺伝子発現のmPing挿入による変化を観察した結果、発現に変化がないもの、対照で発現量が低下するものならびにストレス時の発現量が増加するものが認められた。発現量の増加が観察されためは塩ストレス応答性遺伝子ZFP252であり、塩ストレス応答性をもたない遺伝子へのmPing挿入が塩ストレス応答性獲得に必ずしも繋がらなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ストレス耐性の検定に関して、塩以外にも低温およびアブシジン酸などに関する応答性についても順次進める予定であったが、処理時の環境を一定に保持するために使用するインキュベータ数が不足したため、これらに関する応答性の評価が予定通り全てを消化することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
塩ストレスに関する大規模解析に関してはほぼ終えたので、今後はインキュベータ数が不足する事態は生じない。塩ストレス以外のストレス応答性ならびに、アブジシン酸に対する応答性に関する解析についても順次進めていく。
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Research Products
(2 results)