2010 Fiscal Year Annual Research Report
オオムギの耐塩性に関わる生理機構と遺伝子座の統合的解明
Project/Area Number |
22380012
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
平沢 正 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30015119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 泰一郎 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (80213643)
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Keywords | アクアポリン / オオムギ / 光合成速度 / 成長 / 耐塩性 / 稔実歩合 / 水ポテンシャル / 量的形質遺伝子座(QTL) |
Research Abstract |
1.耐塩性が最強の品種OUE812と耐塩性の弱い品種OUC613を用いて、100mM、200mMNaCl(以下、100mM、200mM NaCl処理)を含むバーミキュライト、あるいは水耕液に、出芽時から成熟期まで生育させ、乾物生産や光合成速度、吸水に関わる性質などを、NaClを加えない培地(以下、OmMNaCl処理)で生育したオオムギと比較しつつ検討し、以下の結果を得た。 (1)バーミキュライトに生育するオオムギを用いて幼植物期から成熟期まで、4~12週にわたる長期間のNaCl処理を行った。その結果、NaCl処理によって受ける影響の品種間差は、形質とNaCl濃度によって異なり、(1)100mMNaCl処理では稔実歩合のみに顕著な品種間差がある;(2)200mMNaCl処理では稔実歩合に加えて、光合成速度,乾物重に有意な品種間差が認められる;(3)NaCl処理による品種間差が最も明らかに現れるのは稔実歩合の低下である;ことがわかった。 (2)水耕液に生育するオオムギを用いて幼植物期に100mMNaCl処理を7日間行った。その結果、処理2日目以降はOUE812はOUC613に比較して、葉面積と光合成速度の低下程度が小さくなった。これは、OUE812はOUC613に比較して、根の成長を高く維持し、さらにアクアポリン遺伝子の発現量が増加することにより吸水を維持し,葉の水ポテンシャルを高く維持したことによるものと推察された。 2.岡山大学で作出した遺伝解析用8集団の両親の耐塩性に関わる形質を比較したところ、稔実歩合の大きく異なる1組み合わせを見出した。そこで、この組み合わせを次年度以降の耐塩性に関わる遺伝子座解析の材料として選定した。
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Research Products
(3 results)