2011 Fiscal Year Annual Research Report
光質制御による果樹の生理活性物質代謝および光応答機構の解明
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22380020
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
近藤 悟 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (70264918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 伸博 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00165151)
菅谷 純子 筑波大学, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (90302372)
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Keywords | 園芸学 / アブシシン酸 / 赤色光 / 青色光 |
Research Abstract |
赤色光および青色光がブドウ果実の着色、糖濃度、内生アブシシン酸含量、ネオキサンチン酸化開裂酵素遺伝子(VvNCED)発現、アブシシン酸水酸化酵素遺伝子(VvCYP7A)発現について検討した。なお、赤色光および青色光は午前6時から午後6時までの昼間処理とした。着色については、アントシアニン合成に関与する遺伝子であるVvUFGTおよびVvmybA1の発現についても検討した。ブドウ果実の着色は青色光で増加し、VvUFG7およびVvmybA1の発現も青色光が赤色光および無処理に比較して強くなった.一方、内生アブシシン濃度の変化は青色光照射区および無処理区で有意な相違は観察されなかった。この結果は青色光によるアントシアニン合成の促進は、アブシシン酸合成には大きな影響を持たずにアントシアニン合成酵素遺伝子に影響する可能性を示唆した。 アブシシン酸水酸化酵素(CYP707A)活性制御がリンゴの内生アブシシン酸濃度に及ぼす影響を検討した。CYP707Aの制御によりリンゴ葉内の内生アブシシン酸濃度が上昇し、一方アブシシン酸の代謝物であるファゼイン酸の濃度は減少した。単離したアブシシン酸水酸化酵素遺伝子(MdCYP707A,MdCYP707A2)の発現はアブシシン酸酵素活性制御剤(Abz-F1)の処理により減少した。一方で、アブシシン酸合成の上流にあるネオキサンチン酸化開裂酵素遺伝子(MdNCED1,MdNCED2)の発現も減少し、これらアブシシン酸を挟む2つの酵素が相互に関連性を持って働いていることが伺えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
赤色光および青色光がアプシシン代謝あるいは光に応答するアントシアニン合成酵素遺伝子などに及ぼす影響が明らかになってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
赤色光および青色光の照射時間および強度を変更し、アントシアニン合成あるいはアントシアニン合成に関与する内生アブシシン酸濃度、アントシアニン合成酵素遺伝子の発現などを通じて、光質の関わりを明確化する。
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Research Products
(2 results)