Research Abstract |
本年度は,以下の3点の課題を重点的に行った。 1.農的活動に関する先行事例調査 北米地域(ニューヨーク,ボストン,デトロイト)を対象に,コミュニティガーデンやフードシェア等の「農」に関する先進事例の調査を行った。調査対象は計14事例であり,自治体担当者や運営主体ヘヒアリングを行うことにより,活動目的,活動に至った経緯,関係する主体,組織体制,支援体制等の情報を把握した。情報収集を行う中で,他の北米諸都市にも先進的な事例が存在することが明らかとなり,継続して調査を行うことが必要だと考えられた。 2.都市住民による農作物生産ポテンシャルの解明 千葉県千葉市に位置する萩台市民農園と,東京都練馬区の白石体験農園を対象に,都市住民の農園利用に伴う農作物生産量を解明した。具体的には,各農園から5名の被験者を抽出し,(1)区画あたり生産量を実測調査(重量測定)によって明らかにし,一方で(2)農園の全区画における農作物別延べ作付面積を把握し,(1)と(2)を乗じることにより農園全体からの農作物生産ポテンシャルを解明した。 3.住宅地内空閑地の分布状況の解明 首都圏近郊の自治体として千葉県柏市及び流山市,地方中核都市として長崎県長崎市を選定し,住宅地内空閑地の分布状況を解明した。柏市および流山市においては,一部地域を対象に計266箇所の空閑地を現地踏査し,それぞれの利用状況について明らかにした。長崎市においては,大規模住宅地内にある空き区画を対象に空中写真判読及び現地踏査を実施し,空き区画の用途や空き区画の用途と街区の形態との関係を明らかにした。
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