2010 Fiscal Year Annual Research Report
重金属塩によるナシ花柱内リボヌクレアーゼの不活化を利用した単一品種栽培法の確立
Project/Area Number |
22380022
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
平塚 伸 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (10143265)
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Keywords | ナシ / 自家不和合性 / RNase / 重金属塩 / 無受粉・無摘果栽培 / 単一品種栽培 |
Research Abstract |
本研究は、ナシの開花期に重金属塩処理を行い、花柱のRNase活性抑制によって自家着果を促進させ、ポジティブリスト制度などで問題となるナシの混植栽培を回避しようとするものである。さらに、重金属を含む殺菌剤であるボルドー液での着果促進効果を検証し、これらの濃度や処理時期を変えることにより10%程度の着果を誘発させ、無受粉・無摘果栽培法を確立することを目的とする。'幸水'を用いた本年度の研究で、得られた結果は以下のように要約される。 1)FeSO_4処理による着果促進は1~5mMが有効であり、花の発育ステージは開花前8~4日であった。 2)CuSO_4を含む6-12式ボルドー液散布も、着果促進に有効であった。 3)重金属塩処理で着果した果実は、概して小玉であったため、幼果にジベレリンペーストや尿素系サイトカイニン(CPPU)を処理した結果、十分に肥大した果実が得られた。 4)花柱タンパク質にCuSO_4を加えるとRNase活性は抑制され、そこからCuSO_4を除去すると活性は復活した。 本研究をさらに押し進め、'幸水'の単一品種栽培や無受粉・無摘果の省力栽培が経営的に可能か否かを明らかにする。
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Research Products
(2 results)