2011 Fiscal Year Annual Research Report
非病原力因子のサプレッサー機能抑制による病害耐性植物の創出
Project/Area Number |
22380029
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
露無 慎二 静岡大学, 農学部, 特任教授 (30090541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 久笑 静岡大学, 農学部, 准教授 (00432196)
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Keywords | カンキツかいよう病菌 / PthA因子 / Pectin methyl esterase前駆体 / RIN4 / UPAボックス / 非病原力遺伝子 / AvrBs3ファミリー |
Research Abstract |
ピーマン斑点細菌病菌のavrBs3,イネ白葉枯れ病菌のavrXa7, avrXa10等の非病原力遺伝子と、同じavrBs3遺伝子ファミリーに属し互いに90%以上の相同性を示しながら病原性発現に関与するカンキツかいよう病菌(Xanthomonas axonopodis pv.citri, Xac)のpthA遺伝子との間で、また、これらのキメラ遺伝子の間で、非病原性Xac変異株形質転換体を用いたカンキツ葉接種後の病原性、タバコ葉接種後の過敏感反応誘導能、これらの大腸菌内大量発現株の粗抽出液とAvrBs3のBs3プロモーター結合領域(UPA box, upregulated by AvrBs3)との結合に関するゲルシフトアッセイ等の解析をした。その結果、AvrBs3因子ファミリーの繰り返し部がそれぞれの特異性決定に重要な役割を果たすが、この直後の領域も特異性決定に関与する事、AvrBs3ファミリーとUPAボックスとの結合性によって抵抗性反応の誘導と病原性発現のいずれかがスイッチオンされることがわかった。さらにカンキツ内のPthA結合分子が前駆体Pectin methylesterase (PME)であること、PthAとの結合によって前駆体PMEのプロセッシングがコントロールされていること、PthAがタバコ、トマトのPMEとは結合しない事が共焦点顕微鏡を用いたオニオン細胞内の局在性解析から分かった。また、カンキツPME前駆体が多くの植物病原細菌の非病原力因子に第三の結合因子として報告されているRIN4とも結合する事が分かった。これらの事から、PthAが前駆体PME,RIN4と、どのように結合するかによって、上記UPAボックスへの結合性、転写開始がコントロールされる事が予想された。従って、カンキツかいよう病耐性植物の作出する標的分子として、前駆体PMEの他にRIN4も加えなければならなくなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
カンキッかいよう形成因子(PthA)結合タンパク質であるPMEの改変によってサプレッサー活性発現の抑制耐性付与を目標としたが、さらに、第4の因子(RIN4)がPME-PthAの結合に影響を及ぼす事を発見した。これにより、かいよう形成及び、抵抗性反応誘導のメカニズムがさらに深く掘り下げられた。当初の耐病性植物創出にも新たな標的分子を発見した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、サプレッサー機能抑制を制御して植物病原細菌の病原性を抑えることによる耐病性植物創出に向かって、PME前駆体のプロセッシングをコントロールした戦略の他に、RIN4のスッチオンへの関与の仕方を解析し、他の非病原力因子をもコントロールする耐病性植物創出戦略にも研究を発展させる。
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Research Products
(4 results)