2010 Fiscal Year Annual Research Report
イネ科植物いもち病菌の病原性に果たすクロマチンリモデリング遺伝子の役割
Project/Area Number |
22380031
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中屋敷 均 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (50252804)
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Keywords | いもち病菌 / ヒストンメチルトランスフェラーゼ |
Research Abstract |
本課題研究では、イネ科植物いもち病菌のクロマチンリモデリング遺伝子をRNAiを用いて網羅的に解析する予定であった。しかし、RNAi変異体における遺伝子発現を調査した所、非ターゲット遺伝子における発現抑制が顕著に見られる例が散見されたため、ターゲッティングによる遺伝子破壊法を併用することにより研究を進めている。現在、ヒストンメチルトランスフェラーゼである6個の遺伝子(MGG_05254,MGG_01661,MGG_15053,MGG_07393,MGG_02937,MGG_06852)を対象に遺伝子破壊株を作成中であり、そのうち4個の遺伝子については、破壊株が得られている。これらの病原性を調査した所、MGG_07393破壊株では病原性が大きく低下していることが明らかとなり、またMGG_06852破壊株でも有意な病原性の低下が見られた。MGG_07393破壊株では、胞子形成能も大きく低下しており、これらの遺伝子がいもち病菌の病原性発現のどのステップで機能しているのか今後さらに詳細に調査していく予定である。また、破壊株が得られていない残りの遺伝子についても、継続して破壊株を得る努力を続けるとともに、欠損致死遺伝子である可能性も踏まえ、RNAiを用いた解析も検討している。RNAiを用いた解析では、本年度はこれまで当研究室で用いていたpSilent-Duallに比べてさらにサイレンシングの効率がよいpSilent-MGベクターを構築して今後の解析に用いる予定である。この成果は、JGPP誌にアクセプトされ、現在印刷中である。
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