2012 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物における硝酸応答型遺伝子発現の制御メカニズム
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22380043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳澤 修一 東京大学, 生物生産工学研究センター, 准教授 (20222359)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 植物 / 硝酸シグナル / 遺伝子発現 / 転写制御 |
Research Abstract |
本研究では、これまでに亜硝酸還元酵素遺伝子プロモーター中に見出した硝酸応答配列(NRE配列)に塩基配列特異的に結合するタンパク質(NRE-binding protein、NBP)を同定し、それの活性は硝酸シグナルによって翻訳後調節を介して制御されていること、また、中央付近に存在するDNA結合ドメインよりもN末端側の領域に転写促進ドメインと硝酸シグナル受信ドメインが存在することを明らかとしてきた。マメ科モデル植物ミヤコグサにおいて根粒形成に必須な因子として遺伝学的に同定された因子であるNODULE INCEPTION(NIN)と非常に類似した構造を持つタンパク質がマメ科植物以外にも存在しており、これらは生理機能が不明なNIN様タンパク質(NIN-like protein, NLP)と呼ばれてきたが、NBPはNLPであったことから、今回、NINも硝酸シグナル応答型の転写活性化因子であるかどうか検討した。その結果、NINは硝酸シグナルに応答しない転写活性化因子であることが明らかとなった。これにより、根粒形成は窒素飢餓条件で促進されるため、硝酸シグナルを受信せずとも活性化型であるNLPの変異型(恒常的活性化型NLP)が生じ、これがNINとして根粒形成に関与するようになったと推察された。また、一方で、この結果は、N末端側領域のNINとNLPの間で大きな違いがみとめられる領域が硝酸シグナルの受信に重要であることを示唆した。シロイヌナズナには9つのNLPが存在しており、これまで、その中の一つであるNLP6を用いて解析を進めてきたが、今回、他のNLPも硝酸シグナル応答型の転写活性化因子であることも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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