2011 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物における塩ストレスによるイオン輸送体タンパク質の酸化
Project/Area Number |
22380044
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村田 芳行 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70263621)
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Keywords | 塩ストレス / イオン輸送 / 酸化 / タンパク質 / チャンネル |
Research Abstract |
植物にとって、根からの養分の吸収や気孔での蒸散・ガス交換は、その生育のために不可欠である。また、これらの活動には、多くのイオン輸送体が関与している。中でも、カリウムチャネルは、植物の全身で機能している極めて重要なイオンチャネルである。 一般に、塩ストレス下で植物が生育する上で、細胞内からのカリウム流出は、細胞外からのナトリウムの流入と同様に極めて重要であり、その流出入には、カリウムイオンチャネルを含むイオン輸送体が関与している。 種々のストレスが引き起こす酸化による傷害は、タンパク質や脂質などの生体成分の酸化や過酸化を介して、細胞の機能不全を引き起こす。これまでに、動物のイオンチャネルの酸化は、重篤な疾病につながることが知られている。しかし、植物のイオンチャネルは、植物の生長やストレス耐性に重要であるにも関わらず、その酸化や酸化による機能不全に関する報告はほとんどない。 本研究では、塩ストレスによって蓄積するメチルグリオキザールに着目し、その影響について精査した。 具体的には、塩ストレスによるメチルグリオキザールの蓄積、イオン輸送タンパク質や種々の酵素への影響、メチルグリオキザールによるタンパク質の修飾について調べた。塩ストレスとメチルグリオキザール蓄積との関係ならびに、イオン輸送タンパク質や種々の酵素への影響(Biosci.Biotechnol.Biochem.,2012、J.Plant Physiol.,2012、Plant Biol.,2012)を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文として、成果を報告できた。
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Strategy for Future Research Activity |
問題点もなく、計画通り推進する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Inhibitory effects of methylglyoxal on light-induced stomatal opening and inward K^+ channel activity in Arabidopsis2012
Author(s)
Hoque, T.S., Okuma, E., Uraji, M., Furuichi T., Sasaki, T., Hoque, M.A., Nakamura, Y, Murata, Y.
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Journal Title
Biosci.Biotechnol.Biochem.
Volume: 76
Pages: 617-619
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Methylglyoxal-induced stomatal closure and peroxidase-mediated ROS production in Arabidopsis2012
Author(s)
Hoque, T.S., Uraji, M., Ye, W., Hossain, M.A., Nakamura, Y., Murata, Y.
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Journal Title
J.Plant Physiol.
Volume: (in press)
DOI
Peer Reviewed
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