2011 Fiscal Year Annual Research Report
無保護でのペプチド合成のための新規ペプチド合成酵素の探索と開発
Project/Area Number |
22380053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横関 健三 京都大学, 農学研究科, 客員教授 (10432345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 順 京都大学, 農学研究科, 教授 (70281102)
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Keywords | ジペプチド / βペプチド / L-アミノ酸メチルエステル / オリゴペプチド |
Research Abstract |
ペプチドには有用な生理活性あるいは新たな物性を示すものが数多く知られており、ペプチドの機能性解明や生産法開発に関する研究が盛んに行われている。これまで申請者のグループではアミノ酸メチルエステル体をアシル供与体、アミノ酸を求核剤としてペプチド合成反応に使用できる新規酵素を発見し、短時間で効率のよい新しいペプチド生産法を確立している。この酵素は広い基質特異性を示す一方、唯一プロリンだけは求核剤として認識されにくいという課題があった。本研究ではプロリンを求核剤として効率良く利用できる新規酵素の探索を行った。 まず本研究室保存菌697株を対象に、アラニンメチルエステルとプロリンからアラニン-プロリンペプチドを生成する微生物の探索を実施した。この結果15株においてアラニン-プロリンペプチドの蓄積が確認された。最も生成活性の高かった微生物はStreptomyces sp.AKU2711株であり、この菌株の無細胞抽出液におけるアラニン-プロリンペプチド生成活性は10,8mU/mgという比較的高い活性を示した。 次いで自然界からアラニン-プロリンペプチド合成活性を保持する微生物の単離を行った。アセチルプロリンやアラニン-プロリンペプチドを単一炭素源として利用できる微生物を約300株土壌より分離できた。この微生物の内、6株において高いアラニン-プロリンペプチド生成活性を確認でき、中でも1株についてはAKU2711株の2倍の活性を保持していることを明らかにできた。 以上の様にプロリンを含むあらゆるペプチドの合成を可能とするシステムの構築の目処が立ったため、さらに新規機能性ペプチド開発の原料としての利用を念頭に置いた水酸化アミノ酸の生産法の開発を実施した。アミノ酸水酸化酵素であるジオキシゲナーゼ類の基質特異性解析と反応産物の構造解析を行ったところ、分岐鎖アミノ酸に対して広い水酸化活性を保持していることを明らかにできた。
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Research Products
(8 results)