2012 Fiscal Year Annual Research Report
酢酸菌「酸化発酵」の分子基盤解析とそれに基づく「酸化発酵」能の開発
Project/Area Number |
22380054
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松下 一信 山口大学, 農学部, 教授 (50107736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藥師 寿治 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30324388)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 酸化発酵 / 酢酸菌 / キノプロテイン / フラボプロテイン / 末端オキシダーゼ |
Research Abstract |
グリセロールからのジヒドロキシアセトン(DHA)発酵に関与するキノプロテイン・グリセロール脱水素酵素(GLDH)は,ソルボース発酵などその他多くの酸化発酵で機能している。このGLDHを中心にした酸化発酵系の呼吸鎖,酸化生成物の資化に関わる膜輸送・資化酵素系の解析を含めて,「酸化発酵」分子機構の全般的な解明を目指している。以下,本年度の成果をまとめる。①Gluconobacterの多くは2つのGLDHパラログをもつことが分かってきた。G. thailandicus IFO3255の1つのパラログGLDH (3255_0026)の遺伝子破壊は,GLDHの関与するほぼ全ての酸化活性を消失させたため,別のパラログ(3255_0236)は別の機能をもつ新規酵素であると推定された。②G. oxydans 621Hと違いIFO3255はDHA資化能を有している。今回,IFO3255ゲノム中に,621Hに存在しないDHA kinase パラログ(3255_2003)が見つかり,この酵素がDHA資化に関与していると推定された。③フラボプロテイン・ソルビトール脱水素酵素遺伝子(sldSLC)の上流に存在する遺伝子群(sldR, xdhA, perA)の解析によって,そのXdhA(NAD依存脱水素酵素)とPerA(トランスポーター)がソルボースの取込み資化に関与していることが示唆された。④ フラボプロテイン・フルクトース脱水素酵素の遺伝子工学的解析によって,他のフラボプロテイン同様,本酵素もそのチトクロム・サブユニットを介してユビキノン還元を行っていることが示唆された。⑤グリセロールからのDHA生成はキノプロテインADHによるグリセリン酸生成反応と競合している。今回,培地中に含まれるメタノールがADH活性を阻害することで,グリセリン酸生成を抑制し,逆にDHA生成を増進することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(22 results)