2012 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性サイトカインの情報伝達の分子メカニズムの解明とバイオプローブによる制御
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22380060
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
片岡 孝夫 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (20242307)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | TNF-α / NF-κB / デオキシニバレノール / SRC2 / ERK / p38 MAPキナーゼ |
Research Abstract |
トリコテセン系マイコトキシンは、真核生物の翻訳を阻害するだけでなく、MAPキナーゼスーパーファミリーの活性化を介して、遺伝子発現を調節している。ヒト肺がん腫A549細胞において、デオキシニバレノールと3-アセチルデオキシニバレノールは、TNFレセプター1のエクトドメインシェディングを誘導した。デオキシニバレノールは、添加後5分から30分にかけてERK1/2のリン酸化を亢進させた。一方、p38 MAPキナーゼは、デオキシニバレノールの添加後5分以内にリン酸化され、2時間後までリン酸化されたままであった。さらに、MEK阻害剤U0126とp38 MAPキナーゼ阻害剤SB203580によって、デオキシニバレノールによるTNFレセプター1のエクトドメインシェディング、並びにTNF-α応答性のICAM-1の発現誘導が抑制された。以上の結果から、デオキシニバレノールは、ERKとp38 MAPキナーゼの活性化を介してTNFレセプター1のエクトドメインシェディングを誘導することが明らかになった。 オイデスマン骨格を有するセスキテルペンであるsantonin-related compound 2 (SRC2)は、TNF-α刺激によって誘導されるNF-κBサブユニットp65/RelAの核移行を阻害する。p65のN末端には、DNA結合、二量体化、核内移行等に重要なRel homology domain (RHD)が存在している。p65のRHDに含まれるCys-38をSerに置換したp65(C38S)変異体を作製し、p65(C38S)を安定発現させたA549細胞を構築した。その結果、野生型p65に比較して、p65(C38S)の核移行に対するSRC2の阻害作用が低下していた。以上の結果から、SRC2はp65のCys-38に作用することによって、p65の核移行を阻害することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)