2012 Fiscal Year Annual Research Report
酵母のプロリン代謝中間体アセチル化酵素Mpr1による抗酸化機構の解明とその応用
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22380061
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
高木 博史 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (50275088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 信行 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (10273848)
大津 厳生 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (60395655)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 酵母 / アセチル化酵素 / 酸化ストレス / 活性酸素種 / プロリン代謝 |
Research Abstract |
Mpr1は高温や過酸化水素処理などの酸化ストレスで誘導され、プロリン代謝中間体(P5C/GSA)をN-アセチル化し、アルギニンおよび一酸化窒素の合成を促進することで、酵母に酸化ストレス耐性を付与すると考えられている。今年度は、Mpr1の結晶構造解析を行い、Mpr1の触媒反応機構の解明を目的に研究を実施した。 まず、セレノメチオニン多波長異常分散を用いたX線結晶構造解析によりMpr1の立体構造を2.1Å分解能で決定した。Mpr1の立体構造はGcn5-related N-acetyltransferase(GNAT)と類似しており、GNATスーパーファミリーに属することが判明した。また、速度論的解析からMpr1による触媒反応は逐次機構により進行し、Mpr1-アセチルCoA-AZCの三者複合体を経て進行することが示された。次に、立体構造上、類似性の高いタンパク質との比較から、Phe138の主鎖アミドのNH基、Asn178の側鎖、Trp185の側鎖がアセチルCoAや水分子との結合を介して触媒反応に関与していることが示唆された。また、立体構造および変異体酵素を用いた解析から、Asn135の側鎖がAZCをはじめとする基質との結合に関わることが示唆された。さらに、活性が消失した変異体を酵母で発現させると、野生型Mpr1に比べてストレス処理後のP5C含量が有意に増加したことから、Mpr1の生理機能においてもAsn135やAsn178が重要な残基であると考えられた。多くのGNATではTyrが保存されており、正四面体中間体の分解後に生じるCoAチオレートアニオンをプロトン化によってCoAに変換し、触媒として機能する。しかし、Mpr1のように分極によって反応を触媒するN-acetyltransferaseは報告されておらず、Mpr1が新規の触媒反応機構を有していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)