2010 Fiscal Year Annual Research Report
食品由来GLPー1分泌刺激ペプチドの抗メタボ作用を、糖質の消化抵抗性で増強する
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22380070
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 博 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70198894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比良 徹 北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教 (10396301)
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Keywords | GLP-1 / 低消化性糖質 / 難消化性ペプチド |
Research Abstract |
インスリン分泌促進、膵β細胞保護作用などを有する消化管ホルモンとして知られるGlucagon-like peptide-1(GLP-1)の分泌、合成を促進する食品素材として、消化抵抗性糖質の可能性を検討した。また、申請者が見出したGLP-1分泌作用を持つトウモロコシペプチド(ZeinH)の生理的条件下での血糖上昇抑制効果の有無を検討した。 <消化抵抗性糖質のGLP-1分泌促進作用の検討> 種々の消化抵抗性糖質(非・難・低消化性オリゴ糖、食物繊維)のGLP-1分泌活性を、in vitro(GLP-1産生細胞株GLUTag)にてスクリーニングした。その結果、低分子のオリゴ糖では明確なGLP-1分泌促進作用は見られなかったが、いくつかの高分子の消化抵抗性糖質に作用が見られた。これらとZein共存下での、GLP-1分泌を観察したところ、相加的な分泌促進作用が見られた。 <トウモロコシペプチドZeinHの経口投与下での血糖上昇抑制効果の検討> ZeinHをラット回腸に投与することで、GLP-1分泌促進を介した血糖上昇抑制が見られていたが、より生理的な条件として、ZeinH経口投与でも血糖上昇抑制の作用が発現することが確かめられた。市販の肉ペプトンでは血糖上昇抑制はみられないことから、ZeinHは生理的条件下でも強い血糖上昇抑制作用を持つことが明らかとなった。 <ZeinHのGLP-1分泌促進機構の解析> 種々の分画手法(クロマトグラフィー等)によりZeinHを分画し、各画分のGLP-1分泌活性を調べたところ、その分子量、疎水性などに依存せず、活1生が分散する結果となった。このことより、異なる性質をもつペプチドの相加的作用により活性が発揮されることが考えられた。また、食品ペプチド刺激に対して、消化管内分泌細胞の細胞内Caシグナルが惹起されることが確認された。
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Research Products
(9 results)