2011 Fiscal Year Annual Research Report
限界集落における持続可能な森林管理のあり方についての研究
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22380089
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
奥田 裕規 独立行政法人森林総合研究所, 森林経営・政策研究領域, チーム長 (00353631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 真 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10232555)
土屋 俊幸 東京農工大学, 共生科学技術研究科, 教授 (50271846)
藤掛 一郎 宮崎大学, 農学部, 教授 (90243071)
三俣 学 兵庫県立大学, 経済学部, 准教授 (10382251)
八巻 一成 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, グループ長 (80353895)
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Keywords | コモンズ / ガバナンス / 社会関係資本論 / 森林 / 協働 / 内発的発展 / 限界集落 / 山村 |
Research Abstract |
限界集落化しつつある山村地域において、森林等の地域資源を適正に管理・利用していくためには、地域の住民・組織と転出した人を含む地域外の人や組織の間のネットワークが、不可欠である。地域内・外の人と人、人と組織の間のネットワークを結ぶための条件整備のあり方について、「環境ガバナンス論」、「コモンズ論」、「協治論」を活用して、明らかにすることが、この科研のテーマである。 今年度は、地域における人や組織と地域資源との関係、絡まり合いを浮かび出させるための理論と各研究者の調査対象地の本科研上の位置づけ及び調査の進捗状況について、意見・情報交換を行った。その議論の課程で、「地域資源が『コモンズ』であり、『コモンズ』を守り、利用していくための制度や仕組みを規定するのが『ガバナンス論』、『コモンズ』を守り、利用していくための道筋を考えようするのが『協治論』である」と考えるに至った。そして、「『コモンズ』は、そこで暮らしていくために必要なものであり、経済的なものが真っ先に考えられるが、地域文化とか福祉とかも考えられていいのではなかろうか。地域の暮らしを、色々な意味で、支えているのがコモンズなのではないか。 また、北海道礼文町において、町長はじめ町の行政担当者に、岩手県遠野市において地域住民が、地域資源を共同で利用しながら暮らしを立てている取組を紹介しつつ、礼文島の「内発的発展」を実現するための取組のあり方について、礼文町の行政担当者と本科研に参画している研究者の間で活発な意見交換を行った。このことは、本科研と限界集落化しつつある山村地域を繋ぎ、本科研参画研究者間の分析視点を共通化することに役だった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各調査対象地における調査・分析結果を、メンバー全員が持ち寄り、意見交換した結果、森林等地域資源管理・利用に対する地域内・外の人や組織の関与の仕方から、「地域資源が『コモンズ』であり、『コモンズ』を守り、利用していくための制度や仕組みのシステムを規定するのが『ガバナンス論』、『コモンズ』を守り、利用していくための道筋を考えようするのが『協治論』である」と考えるに至ったことが今年の大きな成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
コモンズとは、生きるために必要なものであり、経済的なものが真っ先に考えられるが、地域文化とか福祉とかも考えられてよく、地域の暮らしを、色々な意味で、支えているのがコモンズである。そこで暮らしていくために、これまで必要とされ、利用されてきた地域の資源が、生活様式が変わったり、地域の過疎化が進んだりしたため、地域住民に必要とされなくなってきた。このような資源を、地域住民をはじめ、周辺住民や都市住民、国民全体が、どう評価しているかは、重要である。使われなくなりつつある資源の管理、利用を、再び活性化するための道筋について、社会関係資本論、コモンズ論、ガバナンス論、資源論等を道標に議論を深めたいと考えている。特に地域の住民や組織と外部のNPO団体やIターン者とのネットワークの分析は需要である。 今年度については各研究者が得た知見や課題を紹介し、議論しあうために、研究分担者である東京農工大学の土屋俊幸教授の研究フィールドである長野県大鹿村において研究会を開催するとともに、地域住民と意見交換を行うワークショップを開催する予定である。その結果を踏まえ、最終年度の報告書の作成に臨むこととする。
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Research Products
(18 results)
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[Presentation] 民家と里山2011
Author(s)
奥敬一
Organizer
2011年度日本建築学会大会(関東)
Place of Presentation
早稲田大学(東京都)
Year and Date
2011-08-24
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