2010 Fiscal Year Annual Research Report
土のキャピラリー・バリア機能を利用した雨水資源の保全・活用技術の実用化提案
Project/Area Number |
22380127
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
森井 俊廣 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30231640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 光弘 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (90032309)
竹下 祐二 岡山大学, 環境学研究科, 教授 (90188178)
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Keywords | キヤピラリー・バリア / 土の不飽和水分特性 / 雨水資源の保全 / 農業工学 / 環境技術 |
Research Abstract |
<具体的意義> 研究課題A:傾斜キャピラリー・バリアによる雨水ハーベスティング技術の開発 1)圃場斜面にキャピラリー地盤を造成し,EC-5による土中水分動態の長期計測を開始した。 2)次年度の造成斜面における降雨浸潤実験に向けた予備検討として,小型の簡易な室内試験土槽を試作し,限界長に及ぼす砂および礫材の粒径や降雨強度,傾斜角等の影響を調べた。Steenhuisらの式により,実用的な精度で限界長を推定できる可能性があることを示した。 研究課題B:平面状キャピラリー・バリアによる節水かんがい法の開発 1)ビニールハウス内にキャピラリー・バリア圃場を造成し,コマツナによる植栽試験を実施した。 2)キャピラリー・バリア区では,礫層上部で灌概水が貯留され,また貯留された水分が効果的にコマツナの生長に利用されていることが確認できた。また,この効果が,礫層の敷設深度と根群深さとの関係に依存する可能性が示された。今後,植生の根域,気象条件,礫の敷設深度を考慮した実験を継続して進めていく必要性が示唆された。 〈意義,重要性等〉 研究課題Aにより,土のキャピラリー・バリアのもつ雨水遮断機能を確認できた。自然材料を用いた斜面安定化工法あるいは雨水集水工法として,実用化に向けた展望が得られた。研究課題Bにより,蒸発散が多く水資源が乏しいといった厳しい環境条件下で,キャピラリー・バリア工法が植生に効果的に機能することが明らかになった。今後,塩分集積対策としての効果も確認することにより,実用化に向けた具体像がより鮮明になると期待できる。
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Research Products
(6 results)