2012 Fiscal Year Annual Research Report
土のキャピラリー・バリア機能を利用した雨水資源の保全・活用技術の実用化提案
Project/Area Number |
22380127
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
森井 俊廣 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30231640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 光弘 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 特任教授 (90032309)
竹下 祐二 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (90188178)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | キャピラリー・バリア / 節水かんがい / 塩分集積 / 圃場実験 / 植栽実験 / 雨水ハーベスティング / 半乾燥地 |
Research Abstract |
具体的内容:(1)砂地圃場に造成したキャピラリー・バリア(CB)地盤で植栽実験を行い,地表面給水した浸潤水の地盤内における補足状況を観察するとともに,植物の生育量に及ぼす捕捉水の効果を調べた。(2)地盤中に敷設された礫層は,地下水に塩分が含まれている場合,下方からの塩水を効果的に遮断し,塩分集積を抑制できる。圃場に造成したCB地盤に,塩分を含んだ模擬地下水を流し,植栽実験により塩水遮断の効果を定量的に評価した。実験(1)より,地盤内に敷設した礫層の上部で,浸潤した灌漑水が定常的かつ効果的に捕捉されること,ならびに捕捉された水分量が植生量に統計的に有意な影響を及ぼすことを明らかにした。実験(2)では,礫層による水分移動の遮断機能が,地下水からの毛管上昇に対しても有効に働くことを確認できた。半乾燥地域等で問題となっている塩分集積を効果的に制御できる可能性も合わせもつと考える。 意義:土のCB機能によってもたらされる地表面近傍での浸潤水の補足と貯留機能,ならびに地下水からの毛管上昇を遮断できる制御機能を利用することにより,農学分野では,乾燥地あるいは半乾燥地域における塩分集積の少ない効果的な節水かんがい農法として展開が可能となる。CBは自然材料のみを用いた環境調和性に優れた技術であり,長期にわたり耐久性が維持される点に,優れて現代的な説得性を持つといえる。 重要性:砂層と礫層の境界面に傾斜を付けると集積された水は下方に排水され,境界面以深に浸潤が生じない。土がもつもう一つの優れたCB機能であり,廃棄物処理場の被覆工や斜面の減災工としての適用が期待される。本研究の主題である雨水資源の保全・活用技術に加え,このような環境保全技術としての利用が可能である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)