2010 Fiscal Year Annual Research Report
減投薬畜産システムの確立に向けた子豚子牛の保健診断法開発
Project/Area Number |
22380146
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
牛田 一成 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50183017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 亮 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (70443926)
塚原 隆充 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 特任講師 (90562091)
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Keywords | 減投薬家畜生産 / 不顕感染 / 健康診断システム / 末梢血白血球比重 |
Research Abstract |
本研究は末梢血白血球の比重変化を利用した家畜の健康診断法を確立する事を最終目的とする。本年度は、疾病罹患状況とブタの末梢血白血球の比重の示す関係を検討した。研究施設で飼養中の三元交雑種のうち20~81日齢の豚14頭(♂3頭・♀11頭)と、野外試料として愛知県の一貫経営農家で飼育されている同系統の40~52日齢の豚12頭(♂6頭・♀6頭)を使用した。1.062,1.064,1.066,1.068,1.070,1.072,1.075,1.078,1.080,および1.090g/mlの比重を持つパーコール溶液を調製し、重いパーコール溶液から順に750μlずつ15ml遠沈管(BD Falcon)に重層し、血球の分離に供した。頚静脈から採取したヘパリン処理血2mlをリン酸緩衝生理食塩水{PBS(-);pH7.4}で2倍希釈し、4mlを上述の重層パーコール溶液に静かに重層した。470g、22℃で30分間遠心分離し、分離された細胞層を目視により確認し、分離された白血球の比重を記録した。同時に滅菌済綿棒を用いて、鼻腔、咽頭および肛門からスワブを採取し、PCR法で病原体の検出を行った。白血球はどの個体でも10層のうち4~7層に分離された。このうち、1.062g/mlに分離される白血球は全個体にみられ、1.066g/mlに分離される白血球も1頭を除く全個体にみられた。1.068、1.075g/mlのパーコール溶液で分離される白血球は全26個体中22個体でみられた。逆に1.080、1.090g/mlのパーコールで分離される白血球は全個体から検出されなかった。1.064g/mlに分離される白血球は2頭からしか検出されなかった。不顕性感染と白血球の比重パターンの相関関係は、消化器系疾患にはみられず、一方、呼吸器系疾患では40日齢と50日齢のブタで統計学的に有意であった。
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