2012 Fiscal Year Annual Research Report
卵胞選抜の分子機構に基づく家畜卵子の品質判定法の創出
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22380148
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
眞鍋 昇 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (80243070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 潔 岡山大学, その他の研究科, 教授 (40177168)
宮野 隆 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80200195)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 卵子品質 / 卵胞閉鎖 / 細胞死阻害因子 / 顆粒層細胞 / アポトーシス / 哺乳類 / 卵巣 / 発現制御 |
Research Abstract |
前世紀末から今世紀にかけて、様々な発生工学・遺伝子工学技術が編み出され、家畜でも体細胞核クローン動物や遺伝子改変動物などが作出されてきている。しかしながらこれらの成功率は未だに低い。その原因のひとつとして、供する卵子(卵母細胞)の品質が低いことが挙げられる。しかし卵子品質評価を分子レベルで評価しようとした研究は未だに皆無である。哺乳類では、胎児期に減数分裂の途中、複糸期の状態で休眠している卵子が、性成熟後、性周期毎に分裂を再開して発育・成熟する。この過程で99%以上が選択的に死滅し、不都合な卵子が取除かれる機構が備えられている。本研究では、これまで申請者らが継続してきた選択的卵子死滅の分子制御機構の解明研究の成果を活用し、死滅すべき卵子を判定し、排卵にいたる高品質卵子のみを動物発生工学や生殖医療に供し得る技術システムを創出しようとしている。今年度は、前年度に続いて顆粒層細胞におけるアポトーシス・シグナルの阻害因子の発現を指標にすれば卵子の健常度を見極めることができるか否か検討をすすめた。特に、個々の卵胞を分別して卵子の正常性、体外授精後の初期胚の発生の正常性、卵胞液の性状およびこれらと同じ卵胞内の顆粒層細胞における阻害因子の発現レベルとの関連性の精査した結果、高い相関性があることが確認できた。併せて、阻害因子発現を調節している因子の探索とその分子制御機構を調べ、インターロイキン6が重要な司令塔的な役割を果たしていることを見出した。同時に簡便かつ高感度な判定システムの開発と凍結保存・異種移植・遺伝子導入・卵子の体外成熟と体外受精および初期胚の体外培養からなるシステムの統合を進めて、本研究で見出した卵胞選抜の分子機構に基づく家畜卵子の品質判定法の創出にかかわる知見を実際の家畜増産に活用できる方策の具現化をすすめることもできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年3月11日に研究室所在地の笠間市では震度6強を5分間以上の震災を経験し、これによって多くの研究設備・機器が破損したり修理を要する状況になり、平成24年になってもこれらは完全に回復しておらず、完全に回復するものと想定して研究計画調書を作成したが、よって研究の進展が遅れた。しかし、卵胞の選択的死滅を調節しているアポトーシス阻害因子の発現推移を詳細にしらべ、それの制御においてインターロイキン6が重要な司令塔的な役割を果たしていることを見出すことができた。さらにこれに関連する囮受容体にかかわる研究については論文化できた。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように、震災に起因するハードウエアーの不備に起因する研究進展の遅滞を除けば、概ね順調に進捗している。また破損したり修理を要する研究設備・機器の新調や修繕もおおむね終えることができたので、研究計画調書に記載した年次計画に従って粛々と遂行して、最終年度までには当初の目標を達成する。
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[Journal Article] The molecular mechanism of apoptosis upon caspase-8 activation: Quantitative experimental validation of a mathematical model.2012
Author(s)
Katsuya Kominami, Jun Nakabayashi, Takeharu Nagai, Yuki Tsujimura, Kumiko Chiba, Haruna Kimura, Atsushi Miyawaki, Tatsuya Sawasaki, Hideo Yokota, Noboru Manabe, Kazuhiro Sakamaki
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Journal Title
Biochimica et Biophysica Acta (Molecular Cell Research)
Volume: 1832
Pages: 1825-1840
Peer Reviewed
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