2012 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣機能の解体と卵子形成機能の抽出・再構築による卵母細胞発育培養系の開発
Project/Area Number |
22380151
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮野 隆 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80200195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平尾 雄二 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 上席研究員 (10355349)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 卵母細胞 / 卵巣 / 卵胞 / 体外培養 |
Research Abstract |
哺乳類の卵巣の機能は胎生と関連した複雑な機能群で構成されており,その中には「卵子形成機能」と相反する機能も含まれると考えられる。本研究は,卵母細胞の体外培養技術を用いて,卵巣内の複雑な機能群を解体し,卵子形成に必須な機能を抽出し,再構築することを目的とした。ウシおよびブタの卵巣を材料として研究を進めた。 1)原始卵胞を含むウシ卵巣組織片をGDF-9を添加した培養液中で1週間培養したところ,原始卵胞の割合の低下と一次卵胞の割合のわずかな上昇を認めたが,卵胞はそれ以上発達しなかった。 2)10~20日齢のブタ新生仔の原始卵胞を含む卵巣組織片を2週間体外で培養したが,原始卵胞の発達は起こらなかった。また,原始卵胞の発達に対してFGF-2は作用しなかった。 3)ブタの初期胞状卵胞中の成熟能力のない卵母細胞(直径約110μm)をFSHおよびdbcAMPを添加した培養液中で5日間培養すると卵母細胞は発育し,その後の成熟培養によって高率に第二減数分裂中期へと成熟した。しかし,成熟過程で卵丘は膨潤化しなかった。発育培養液中にエストラジオール17βをさらに添加すると,卵母細胞の成熟に加えて卵丘の膨潤化が起こった。得られた成熟卵の一部は胚盤胞へと発生した。 4)平均直径約100μmと105μmのウシ卵母細胞を2週間培養した結果,いずれも平均120μm以上へと発育したが,体外受精後の胚発生率は105μmの群がより高く (38% vs. 12%),胚発生能力の獲得には直径増大後の卵母細胞の変化も重要であることが明らかとなった。 5)ポリビニルピロリドン(PVP)添加培養液中で発育させたウシ卵母細胞では,卵丘細胞から卵母細胞へ伸びてその先端でギャップ結合を形成するtranszonal projectionsの数が無添加の培養液におけるよりも多かった。これによりPVPの効果の理由の一つが初めて示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)