2011 Fiscal Year Annual Research Report
家畜に流産をおこす病原体の臓器向性を規定する体内伝播様式の解明
Project/Area Number |
22380158
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高島 康弘 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20333552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大屋 賢司 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (50402219)
高須 正規 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (00503327)
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Keywords | 潜伏感染 |
Research Abstract |
マウスモデルを用い、循環血流中から各臓器へ移行した白血球数ならびに感染白血球数を定量化できる実験モデルを確立した。これを用いて、トキソプラズマ感染白血球が定着し易い臓器とそうでない臓器を見出すことができた。胎盤については、同腹であっても組織 中の感染白血球がばらばらであり、一定の傾向が見られなかった。このことは胎盤組織の局所的な変化により、母体血流中の感染白血球の臓器内定着効率に大きな変化がもたらされることを示唆している。現時点では、具体的な「局所的な変化」仮名にであるのかは分 からない。そこで母体血流にさらされている栄養膜巨細胞の変化であるのかそれ以外の変化であるのかを追及するため、in vitroで胎盤幹細胞から栄養膜巨細胞を分化させ、得られた細胞に対して感染白血球の吸着が起こるか否か検証した。他の細胞に比べて吸着の程 度は小さく、当該細胞はバリアとして機能している可能性が示唆された。今後は、各種炎症性サイトカイン等によってどのような変化が起こるか検証する必要がある。 同様の現象が反芻動物でも見られるか否かを証するため、妊娠ヒツジをもちいた感染実験の準備を完了し、以下の条件等を確定した。1)妊娠動物の移送ストレスによる流産を防止するための移送法の確定。2)病原体接種後、採材までの適切な期間の確定。3)え られた胎盤組織からの感染白血球の検出方法の確定。4)ヒツジ白血球表面におけるCD44分子発現パターンの確認。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終年度までに反芻動物でデータを得るための環境を準備することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
反芻動物を用いた実験を行うための緒条件が確定したため、妊娠ヒツジを用いて胎盤内に流入する感染白血球の挙動を明らかにする実 験を本格的に開始する。具体的には、妊娠ヒツジの子宮動脈から蛍光染色した感染細胞を移入し、胎盤のどの部分に定着するのか組織 学的に検討する。あわせて当該部位で感染白血球の定着に寄与する分子を検索する。
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