2011 Fiscal Year Annual Research Report
侵害受容器を介した病態痛発生の分子機構の解明と痛覚評価モデル系の確立
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22380160
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
太田 利男 鳥取大学, 農学部, 教授 (20176895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 賢次 鳥取大学, 農学部, 准教授 (00400143)
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Keywords | TRPV1 / capsaicin / 変異チャネル / Caイメージング |
Research Abstract |
本年度の目的は、難治性病態痛の分子基盤の一つと考えられる侵害受容チャネル蛋白質のTransient Receptor PotentialV1 (TRPV1)に着目し、その活性機構を明らかにすることである。そのため、これまで明らかにされていなかった動物種におけるTRPV1遺伝子の機能解析を行い、系統発生学的な分子解析を行った。X. TropicalisよりクローニングしたxtTRPV1遺伝子を培養細胞へ発現させ、チャネル活性を細胞内Caイメージングにより解析した。その結果、xtTRPV1チャネルは哺乳類と同様にcapsaicin、熱、酸により活性化するポリモーダル受容体として機能することが分かった。xtTRPV1はcapsaicinに対して、これまで哺乳類で報告されていたものより、約1000倍感受性が低下していた。同様な成績はX.tropicalisより分離した知覚神経細胞及び個体を用いた疼痛試験からも得られた。xtTRPV1ミュータントチャネルを作出し、そのチャネル解析を行った結果、TRPV1チャネルの第3及び第4膜貫通領域の2つのアミノ酸がcapsaicin認識部位として重要であることが示唆された。本研究により、ネイティブなTRPV1チャネルにおいてcapsaicin認識部位を初めて明らかにすることが出来た。それ故、これらの部位に作用する薬物の検索は新たな鎮痛薬ターゲットとして重要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究により新規チャネル機能のクローニングと機能解析に成功し、その内容を学会発表及び外国専門誌に掲載することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
他の温度感受性侵害受容チャネルの機能についても詳細に解析していく予定である。
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