2010 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザ抵抗性ブタの開発モデルとしての可溶型Siglec発現マウスの作出
Project/Area Number |
22380161
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野 悦郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00160903)
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Keywords | インフルエンザ / トランスジェニクマウス / 抗病性動物 / Siglec / 感染症 / ウイルス |
Research Abstract |
1.インフルエンザウイルスのレセプターであるα2-3およびα2-6でガラクトースに結合するシアル酸の両方に結合するシアル酸結合レクチンのヒトSiglec 5及びSiglec 9の細胞外ドメインとヒトIgGのFc領域のそれぞれのcDNA断片を結合させたSiglec 5及びSiglec 9の可溶型分子発現細胞(可溶型Siglec発現細胞)を用いて、H1N1、H3N2およびH5N3の抗原亜型の異なるインフルエンザウイルスに対する抵抗性について検討し、抗原亜型に関係なく広くA型インフルエンザウイルス感染に抵抗することを明らかにした。 2.可溶型Siglec 5及びSiglec 9発現細胞は、国内で分離した高病原性トリインフルエンザウイルス(H5N1型)を感染させた場合にも抵抗性を示した。 3.可溶型Siglec発現細胞の樹立に使用したプラスミドからtransgeneとして用いるDNA断片を精製し、C57BL/6マウス受精卵前核にマイクロインジェクション法で注入し、トランスジェニックマウスを作製した。可溶型Siglec5遺伝子導入マウスは、9系統作出され、そのうち8系統で明らかに可溶型Siglec5の発現がウエスタンブロット解析で確認された。また、可溶型Siglec9遺伝子導入マウスは、5系統作出され、そのうち3系統で発現が確認された。 4.可溶型Siglec 5発現トランスジェニックマウスについては、5系統、可溶型Siglec 9発現トランスジェニックマウスについても、3系統の系統化に成功した。
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