2013 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージと筋線維芽細胞を基軸とした慢性腎臓病の進展機序の解明と治療戦術
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22380173
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山手 丈至 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (50150115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 重雄 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (10280067)
桑村 充 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (20244668)
秋吉 秀保 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (50420740)
井澤 武史 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (20580369)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 腎線維化 / マクロファージ / 筋線維芽細胞 / EMT / 尿細管再生 / プロスタグランデン |
Research Abstract |
急性腎障害(AKI)は、抗癌剤などの医薬品の副作用として生じ、不可逆的な傷害では線維化による慢性腎臓病へと進展する。この線維化は、浸潤するマクロファージから産生される因子が筋線維芽細胞を誘導することで生じる。筋線維芽細胞の一部は、再生尿細管から上皮-間葉転換(EMT)を通じて生じる。腎障害時にはサイトカインやプロスタノイドが増加する。そこで、シスプラチン(CDDP)誘発ラットAKIモデルを用いて、PGE2とPGE2の産生に関与する酵素とレセプターの発現、COX-2選択的阻害剤の効果について、線維化との係わりで解析した。 1.CDDP誘発ラットAKIモデルでは、傷害部位においてCOX-1が上昇し、mPGES-1とEP4の発現が増加した。さらに、ラット尿細管上皮細胞株(NRK-52E)にPGE2あるいはEP4アゴニスト(11-deoxy-PGE1)を添加するとアポトーシスと線維化に関わるEMT現象が抑制された。PGE2は、尿細管上皮の良好な再生と線維化の軽減に係わることが示された。 2. AKIの病変形成にCOX-2が関与することが示唆されていることから、CDDP誘発ラットAKIモデルにおけるCOX-2選択的阻害剤の影響を検討した。その結果、AKIモデルに選択的阻害剤を投与すると、血中尿素窒素及びクレアチニン値は低下し、再生尿細管上皮細胞数のピークが遅れ、線維原性因子であるTGF-beta1mRNAが減少し、線維化の進行に関わるマクロファージや筋線維芽細胞数が減少した。CDDP誘発ラットAKIモデルにおいて、COX-2が組織傷害や線維化に一部関与していることが分かった。 3.CDDP誘発のラット腎線維化モデルを用いて、Thy-1発現を指標に筋線維芽細胞の特性を解析した。その結果、EMTに加え、筋線維芽細胞の由来の一つとして血管周囲細胞が存在する可能性が示された。 4.皮膚線維化と薬物誘発肝線維化モデルについてマクロファージの免疫表現形を中心に、さらに膵線維化(自然例)では筋線維芽細胞の細胞骨格を中心に解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)