2012 Fiscal Year Annual Research Report
高度好熱菌性油田細菌の原始的なアルカン代謝および生態に関する研究
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22380175
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森川 正章 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 教授 (20230104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲尾 健司 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 助教 (50241302)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 高度好熱性細菌 / アルカン代謝遺伝子 / 酢酸菌 / メタン菌 / 共培養 / 栄養共生 / 細胞凝集体 / ナノファイバー |
Research Abstract |
本研究課題は、以下の二点を目的として実施した。 1.深部地下油田から単離した好気高度好熱性細菌 Geobacillus thermoleovorans B23のユニークな原始的アルカン代謝機構および関連遺伝子構造の全容を解明することによって「生命の高温環境起源説を傍証」する。 2.深部地下油田から単離した嫌気高度好熱性酢酸菌 Coprothermobacter 属細菌PM9-2 の諸特性解析および「光エネルギーに依存しない深部油田微生物圏の栄養共生関係」を探る。 24年度の成果概要: 1の小課題については、Geobacillus thermoleovorans B23のゲノム配列内に見出した、3組の新規アルカン代謝遺伝子群がいずれも常温性アルカン分解細菌でも機能することを確認した。特に、従来型のアルカン水酸化酵素遺伝子と最も進化系統的に離れた遺伝子産物の活性が最も高いことを明らかにした。さらに、今回見出した3種類の新規アルカン水酸化酵素はいずれもヘムあるいは非ヘム鉄を含まず、独自に進化した酵素であることが判った。2の小課題については、Coprothermobacter 属細菌PM9-2と高度好熱性メタン菌と共培養実験を行なった。その結果、両者が栄養共生関係にあり、単独培養にくらべて生育速度が大きく増大することおよびメタンを生成することを実証した。また、顕微鏡観察の結果から両者は共培養したときに限って細胞凝集体を形成し、β型多糖類を生産することも判った。一方、メタン発酵槽を起源とする Coprothermobacter 属細菌DSM5265とメタン菌を共培養すると凝集体は形成せず、両者の細胞間にはナノファイバーを思われる構造体が観察できた。以上、深部油田環境で形成されているユニークな微生物栄養共生関係の実態を明らかにすることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(25 results)