• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Annual Research Report

代謝工学による環境浄化植物の開発:ホルムアルデヒドやメタノールの除去能の増強

Research Project

Project/Area Number 22380182
Research InstitutionKinki University

Principal Investigator

泉井 桂  近畿大学, 先端技術総合研究所, 客員教授 (20025414)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 秋田 求  近畿大学, 生物理工学部, 教授 (80258061)
Keywordsホルムアルデヒド / メタノール / シックハウスガス / 遺伝子組換え植物 / ファイトレメディエーション / シロイヌナズナ / イネ / タバコ
Research Abstract

本研究は、主要なシックハウスガスであるホルムアルデヒド(HCHO)を吸収・除去する観葉植物を遺伝子組換え技術によって作出し、室内空気の浄化に役立てること、およびHCHOに加えてメタノール(CH_3O_H)やメタン(CH_4)を吸収してデンプンとして同化する植物(とくにイネ)を作出することを最終的な目標とする。また、HCHOの植物に対する毒性の発揮機構を明らかにするための基礎研究も行う。すでに、われわれはメタノール資化性細菌の2つの酵素、3-ヘキスロース 6-リン酸合成酵素(HSP)と3-ヘキスロース 6-リン酸イソメラーゼ(PHI)を植物に導入し、これらを葉緑体において発現させることにより、HCHOを光合成のカルビン回路に導入してこれを同化させることに成功している。今年度得られた成果を次に箇条書きで示す。1)HCHOの毒性の作用点について手掛かりを得るために、シロイヌナズナの野生株と形質転換株をHCHOに曝露することによってその発現が影響を受ける遺伝子をマイクロアレイ法に加えてリアルタイムPCRにより解析してきた。その結果、酸化ストレスの誘起が示唆されたので、今年度はシロイヌナズナの培養細胞株T87およびその形質転換細胞を用いて活性酸素がHCHOによって生成されることを明らかにした。(2)2つの酵素をより強く発現させ、かつ形質転換の回数を減らすために、2つの酵素を融合酵素として発現する合成遺伝子を作成し、コドンも双子葉植物(アラビドプシス)と単子葉植物のイネに最適化したもの2種類を新たに準備し、これをトマトおよびイネのRbcS遺伝子のプロモーターおよびトランシットペプチド翻訳領域の下流につないだベクターをすでに作成しているが、さらにCaMV35Sプロモーターによって駆動するものも作成した。(3)これらのベクターを用いて、シロイヌナズナ、タバコおよびイネを形質転換し、融合遺伝子を強く発現する組み換え体を得た。(4)昨年度に引き続き、各形質転換体について、酵素活性およびタンパク質の発現およびHCHO耐性や同化吸収能を調べている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

計画以上に進展したことは、T87株の利用によって、HCHOの作用機作についての手掛かりがえられたことであるが、一方遅れたことは、イネやシロイヌナズナでのGatewayシステムによる導入遺伝子の発現レベルが期待したほど良好でなく、これが翻訳開始部位周辺に入ってくるAttB配列のためである可能性が考えられたため、もう一度それを除いたベクターでイネの形質転換をおこなったために1年遅れることとなった。また、35Sプロモーターを用いた高発現用の市販ベクターが組織特異性はないがかなり良好な発現を示したことは収穫であった。酵素活性の測定も京都大学阪井教授のご協力により自分たちの研究室でも実施できるようになった。C14でラベルしたHCHOによる実験の許可が大学から得られなかったためとりこみ実験が実施できない状況にある。

Strategy for Future Research Activity

イネについてT2世代からホモのラインを取得する。
これまでにすでに得られた形質転換株にメタノールオキシダーゼ遺伝子およびペルオキシダーゼ遺伝子を導入して、メタノール資化能をイネやアラビドプシスに付与する計画を推進中である。
HCHOを吸収同化するための良好なプラスミドベクターができたので、観葉植物に導入することを計画中である。

  • Research Products

    (10 results)

All 2012 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (9 results)

  • [Journal Article] A plastidial sodium-dependent pyruvate transporter2011

    • Author(s)
      Furumoto T, Yamaguchi T, Ohshima Y, Nakamura-M, Tsuchida Y, Shimamura M, Ohnishi J, Hata S, Gowik U, Westhoff P, Brautigam A, Weber APM, Izui K
    • Journal Title

      Nature

      Volume: Vol. 476, No. 7361 Pages: 472-475

    • DOI

      doi:10.1038/nature10250

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] (2aF01)シロイヌナズナのホルムアルデヒドストレス応答と活性酸素種(ROS)の関与に関する解析2012

    • Author(s)
      久保森、明渡絵里朱、榊原均、来須孝光、朽津和幸、由里本博也、阪井康能、秋田求、大和勝幸、泉井桂
    • Organizer
      第53回日本植物生理学会大会
    • Place of Presentation
      京都産業大学(京都府)
    • Year and Date
      20120316-20120318
  • [Presentation] (1pA01)葉緑体においてPEPカルボキシラーゼとPEPカルボキシキナーゼを過剰発現させることによるタバコ(C3植物)の高CO2条件下での水利用効率の向上2012

    • Author(s)
      泉井桂、蘆田弘樹、橋詰恵丞、有川慶大、濱口祐子、横正健剛、横田明穂、秋田求
    • Organizer
      第53回日本植物生理学会大会
    • Place of Presentation
      京都産業大学(京都府)
    • Year and Date
      20120316-20120318
  • [Presentation] (PF024)C3-C4光合成相互転換植物Eleocharis viviparaのin vitroにおける光合成型の切換え2012

    • Author(s)
      原田大士朗、溝端夏季、横山加奈子、大和勝幸、泉井桂、秋田求
    • Organizer
      第53回日本植物生理学会大会
    • Place of Presentation
      京都産業大学(京都府)
    • Year and Date
      20120316-20120318
  • [Presentation] (2P-0223)イネとタバコへのホルムアルデヒド固定能の付与:C1微生物のリブロースモノリン酸経路(RuMP)の2つの酵素の葉緑体における高発現にむけて2011

    • Author(s)
      明渡絵里朱、鈴木詩織、福井崇人、中川強、榊原均、由里本博也、阪井康能、大和勝幸、秋田求、泉井桂
    • Organizer
      第84回日本生化学会大会
    • Place of Presentation
      京都国際会議場(京都府)
    • Year and Date
      20110921-20110924
  • [Presentation] (2P-0254)C3/C4光合成の相互転換植物、カヤツリグサ科のEleocharis viviparaのcDNAライブラリーの作成とC4型PEPCのゲノムDNA塩基配列の決定2011

    • Author(s)
      原田大士朗、近藤知栄、米原亮、大和勝幸、秋田求、泉井桂
    • Organizer
      第84回日本生化学会大会
    • Place of Presentation
      京都国際会議場(京都府)
    • Year and Date
      20110921-20110924
  • [Presentation] (2Cp-02)イネへのホルムアルデヒドの同化代謝系(リブロースものリン酸経路)の導入2011

    • Author(s)
      鈴木詩織、明渡絵里朱、中川強、榊原均、由里本博也、阪井康能、大和勝幸、秋田求、泉井桂
    • Organizer
      第29回日本植物細胞分子生物学会大会
    • Place of Presentation
      九州大学(福岡県)
    • Year and Date
      20110906-20110908
  • [Presentation] (2Ep05)C3-C4光合成の相互転換植物Eleocharis viviparaの先端分裂組織からの培養系の誘導とin vitroにおけるC3型とC4型の切り換え2011

    • Author(s)
      原田大士朗、溝端夏季、横山加奈子、吉村一恵、大和勝幸、泉井桂、秋田求
    • Organizer
      第29回日本植物細胞分子生物学会大会
    • Place of Presentation
      九州大学(福岡県)
    • Year and Date
      20110906-20110908
  • [Presentation] W, Th、E-13 Feasibility of CO2 assimilation via formaldehyde in plants2011

    • Author(s)
      Izui-K, Kubo-S, Suzuki-S, Akedo-E, Yamato-K, Akita-M
    • Organizer
      Gordon Research Conference "CO2 Assimilation in Plants : Genome to Biome"
    • Place of Presentation
      Les Diablerets Conference Center、Switzerland
    • Year and Date
      20110529-20110603
  • [Presentation] (W, Th、F-25) Preparatory studies for elucidation of molecular mechanisms of interconversion between C3- and C4-type photosynthesis in Eleocharis vivipara2011

    • Author(s)
      Harada-D, Mizobata-N, Yokoyama-K, Yamato-K, Akita M, Izui-K
    • Organizer
      Gordon Research Conference "CO2 Assimilation in Plants : Genome to Biome"
    • Place of Presentation
      Les Diablerets Conference Center、Switzerland
    • Year and Date
      20110529-20110603

URL: 

Published: 2013-06-26  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi