2010 Fiscal Year Annual Research Report
テーラーメイド型ワクチン創製のための感作ダニアレルゲンの分子特性解析
Project/Area Number |
22380190
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小埜 和久 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (10144883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋 庸裕 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 准教授 (80284165)
河本 正次 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 准教授 (90294537)
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Keywords | ダニアレルギー / 感作抗原 / IgE反応性 |
Research Abstract |
アレルギー性疾患の罹患率は、年々、増加傾向にあり、しかも若年化傾向も加わり、一つの大きな社会問題と化している。そこで、副作用に悩まされる薬物療法には依存しない、唯一の根治療法としての身体に優しい感作抗原特異的免疫療法の確立が喫緊の課題となってきている。 アレルゲン命名委員会でダニアレルゲンとして登録されている高頻度IgE反応性感作抗原(Der f 1,2,5,8,10,11,13,21,22、トリプシン、キチナーゼ(高分子量、低分子量))遺伝子をダニcDNAライブラリーからPCR法により取得し、既に取得しているDer f 7、キモトリプシン、ゲルソリン/ビリン、Ca^<2+>-結合タンパク質、Der f 2 homolog、パーオキシレドキシン、UK114、hsp70遺伝子とともにアレルゲン遺伝子レパートリーを揃えてライブラリー化した。これらを大腸菌コールドショック発現ベクターpCold TFに挿入し、大腸菌Rosetta-gami株を宿主として組換えアレルゲンの発現を試みた。その結果、9つのダニ主要抗原Der f 1,2,5,8,10,11,13,21,22を可溶性タンパク質として発現させることに成功した。可溶性アレルゲンのIgE結合活性の解析から、発現したアレルゲン分子種は、全てダニアレルギー患者IgEとの結合活性を有しており、しかも、患者ごとに異なるIgE反応プロファイル(IgE反応スペクトラム)を与えた。感作抗原ライブラリーの発現生産系は未完ではあるが構築でき、次世代型感作抗原分子診断法の開発、およびテーラーメイド型感作抗原特異的免疫治療に供するワクチンカクテルの創製に向けた基盤が整備されつつある。
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