2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390002
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新藤 充 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (40226345)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | イノラート / ベンザイン / 環化付加 / 連続反応 / アルカロイド / 全合成 / アシル置換反応 |
Research Abstract |
機能性炭素反応剤であるイノラートを積極活用した新規反応の開発と生体作用分子の合成について成果を得た。 (1)ステモナミンの全合成:生薬ビャクブより単離、構造決定されたステモナミンの全合成を前年度に引き続き検討した。原料であるリンゴ酸とプロリンから鍵中間体1までの工程は大量合成可能なレベルまで確立することができた。有機リチウムによる分子内アシル化反応で7員環を高収率で構築する反応の条件最適化を行い再現性良く合成できるようになった。次の鍵反応であるイノラートによる連続環化反応の原料となる化合物への誘導は、昨年度に見出した工程では保護・脱保護の過程が操作を煩雑にしていた。そこで今回は初めにカルボニルα位の酸素官能基を還元的に除去する方法を試みたところ、その工程の開拓に成功し2工程の短縮した。引き続きイノラートを用いた連続環化反応で収率よくA環を構築することができた。最後にD環は既知法に従って合成しステモナミンの全合成を達成した。 (2)イノラートを用いた新規反応の開発:イノラートとベンザインとの反応を検討した。あらかじめ生成したイノラートとベンザインの前駆体の混合溶液にゆっくりとブチルリチウムを滴下したところ、9-ヒドロキシトリプチセンが生成した。これはイノラートとベンザインの段階的環化付加により生成したベンゾシクロブテノンエノラートが速やかにもう一分子のベンザインと段階的付加環化を行い、高歪4環性化合物が生成したと考えられる。これは速やかに開環しヒドロキシアントラセンが生成し、これが速やかにもう一分子のベンザインと[4+2]型の環化付加を行うことで9-ヒドロキシアントラセンが生成したと考えられる。本反応はイノラートを開始剤とする4連続反応であるだけでなく、イノラートと炭素炭素多重結合への直接的環化付加の初めての例である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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