2010 Fiscal Year Annual Research Report
キラルイミドを用いる高立体選択的アルドール型反応の改善・展開と応用
Project/Area Number |
22390004
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小林 進 東京理科大学, 薬学部, 教授 (70101102)
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Keywords | キラルイミド / ビニロガス向山アルドール反応 / 1,2-ジオール / 全合成 / フォミテリン酸B / TMC-151C / α-ハロエナール / ナフレジン-γ |
Research Abstract |
キラルイミドを不斉補助基として用いるジアステレオ選択的反応は、操作性、反応スケールなどの観点から複雑な骨格を有する標的分子の不斉合成において重要な手段として国内外で活用されている。本研究では本申請者がこれまでに開発した二種類のアルドール型反応に関し、(1)ビニロガス向山アルドール反応については、従来とは逆の選択性を発現させるsyn-選択的反応の開発と、α,β-不飽和アルデヒドを基質としたときの反応性の改善、(2)1,2-ジオールの立体選択的合成法については、種々のアルデヒドを用い、基質一般性の検討を行うことを目的とし検討を行い、以下の成果を挙げることができた。 ビニロガス向山アルドール反応を、トルエン中で水を少量加えることにより、不飽和アルデヒドでも収率よく、再現性良く行えることを見出し、フォミテリン酸Bの全合成を達成した。 一方、TMC-151Cに関しては、ビニロガス向山アルドール反応により左側、右側フラグメントを立体選択的に合成した。さらに、これらを結合するにあたって、極めて稀なE-オレフィンを選択的に与える閉環メタセシスを見出すことにより、全合成を達成することができた。 また、α-ハロエナールを用いると一般のアルデヒドと同様に収率よく付加体を得ることができ、さらにPdを用いる種々のカップリング反応を適用することにより、ハロゲン原子を様々な置換基に変換できることを明らかにした。 一方、1,2-ジオールの立体選択的合成法の応用として、インセンソールアセテート、ナフレジン-γの合成研究を行い、このうち、ナフレジン-γの全合成を達成することができた。
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Research Products
(10 results)