2012 Fiscal Year Annual Research Report
TRAF6に関わるシグナル伝達機構の構造生物学的研究
Project/Area Number |
22390008
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山縣 ゆり子 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (40183678)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | タンパク質 / シグナル伝達 / 構造生物学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、生命現象の解明や創薬の標的としても注目されているサイトカインの働きを細胞外レセプターとの結合様式に始まり、細胞内でのシグナルの伝達機構を原子レベルで解明し、生命現象の本質を物理と化学の言葉で理解すること、並び創薬へ応用することである。初年度に細胞外のTNFとTNFRの複合体と構造を報告できたので、前年度以降は細胞内でのシグナル伝達について、TNFレセプターファミリーと自然免疫に関わるToll様レセプターファミリーの両方からのシグナルを伝達する働きをもつTRAF6とその結合タンパク質TRAF6BP複合体とTRAF6BP単独のX線結晶構造解析に集中した。 昨年度TRAF6BPに関して行った発現系の改良により、より結晶になり易い、安定なTRAF6BPの調製が可能となり、構造解析可能なTRAF6BP単独の結晶化に成功し、放射光研究施設を利用して天然型のデータを収集した。類似構造の報告がないために、メチオニンをセレノメチオニンに置換したSe化TRAF6BPを調製し、Se化結晶のデータ収集を行い、単多波長異常分散法での構造解析に成功した。さらにリン酸化類似変異型の構造解析にも成功した。 TRAF6C-TRAF6BP複合体の結晶化は今回構造解析に成功したTRAF6BPを用いて蒸気平衡法と自由界面拡散法で複合体形成に有利だと見出したpH6,7や9で、最低1000条件で結晶化のスクリーニングを行試みたが、構造解析可能な結晶は現在のところ得られていない。そこで、明らかにしたTRAF6BPの野生型と変異型の構造とすでに報告されているTRAF6Cの構造(Nature, 2002)から複合体モデルを作成したところ、シグナル伝達機構についてTRAF6Cの3量体とTRAF6BPの6量体が複合体をつくりTRAF6のポリユビキチン化が起こることが推定できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)